IODP3 第503次研究航海
日本海溝プレート境界浅部すべりの履歴
航海期間:2025年11月24日~12月12日
IODP3 第503次研究航海
日本海溝プレート境界
浅部すべりの履歴
航海期間:2025年11月24日~12月12日

科学テーマ
2011年の東北地方太平洋沖地震は、プレート境界浅部にまで地震の破壊が達した(プレート境界浅部すべり)ことで巨大な津波が発生したとされています。ところが、このような巨大津波を伴う地震がこれまでどのような間隔や頻度で発生したのかは明らかになっていません。
そこで、日本海溝中部に堆積する海溝充填堆積物を採取、解析することで

- プレート境界浅部すべりの歴史を探る
プレート境界浅部すべりで起こる変動によって形成される堆積物の年代を様々な手法で特定することで、巨大津波を発生させる地震がどのくらいの頻度で起こっていたのかを明らかにします。

- 巨大地震の発生間隔を探る
巨大地震によって生じる堆積物の年代を特定することで、長期間にわたる地震の発生間隔を明らかにします。

- 地下深部の水と地震との関係を探る
堆積物中に含まれる間隙水を分析してその起源を明らかにし、地震への寄与あるいは地震によって絞り出される水がどの程度あるのかを明らかにします。

- 地震と地下生命圏との関係を探る
地震発生に伴って海溝へと運ばれる“新鮮な”堆積物は微生物の栄養となる多くの炭素を含んでいます。この炭素を含む新鮮な堆積物が埋没していく過程で海底下の微生物の活動にどのように影響しているのか、また最終的にどのくらいの炭素が海溝から沈み込んでいくのかを探ります。

研究航海の概要
掘削点C0028において、水圧式ピストンコア(HPCS: Hydraulic Piston Coring System)を用いて、海底下178mまでのコアを5孔(C0028A、B、C、D、E)で採取しました。
なお、掘削孔C0028Eにおける水深7,608.5mでの掘削は、科学掘削史上、ドリルパイプで掘削した最も深い水深での作業となり、1978年に米国の科学掘削船「グローマーチャレンジャー号」がマリアナ海溝で記録した水深7,034mを超える記録となります。
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