地球発見 まだまだ知らない「ちきゅう」がある。

CDEX

船上では多国籍の人たちと長期間にわたって一緒に仕事をします。何か困ることはありますか?

 異文化がもたらす違いは、ほとんど問題になりません。科学者たちの多くは、他の探査船での経験を持ち、船内のような隔離された環境で多国籍の人たちと一緒に仕事をすることに慣れています。誰もがこのような環境で起こりうる問題を理解し、互いに協力して研究を進めています。

若い学生でも研究航海に参画できるのでしょうか?

 学生たちが研究に加わることは、彼らに研究者としての足がかりを提供するほか、次世代を育成する意味でもとても重要です。私たちは、国内外の学生を積極的に研究航海に参画させています。

最後にEPMを目指したいという若い人たちにアドバイスを。

 EPMに求められる要件としては、オーガナイズとコーディネートについて十分なスキルを持っていること、スケジュール管理と後方支援に関して時間をしっかり意識して行動できること、そして航海までの準備期間中に発生するさまざまな変更についてすべての関係者にタイムリーに現状を伝達することなどがあげられます。また、外交的な手腕も重要です。
 実際、乗船時には、EPMの仕事は24時間無休という状況になります。しかし、そこには海底下の地球深部というとても魅力的な研究環境があり、同時に非常に優秀な科学者たちと一緒に研究に取り組める喜びがあります。さらに、EPMを支援してくれるサポート部隊にも同様に魅力的な人たちが数多く集まっています。このように「ちきゅう」でEPMを務めるということは、科学者としてたくさんのことを学び、同時に自分自身を謙虚にし、自己を見つめることができる至福の経験なのです。