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活動報告

活動報告

Report vol.11第2回ダイトウ学会に参加しました

ダイトウ学会とは?

12名の研究者・スペシャリストが集結

D-ARKプロジェクトの調査地である大東諸島は、一度も他の陸地とつながったことのない、サンゴ礁(石灰岩)からなる海洋島です。
そのため、固有の動植物が数多く生息しており、私たちD-ARKプロジェクトをはじめ、さまざまな分野の研究者が調査・研究を行う貴重なフィールドとなっています。

南大東村小中学校では2024年度から、水族館の飼育員や地質学者など、各分野の第一線で活躍する専門家が自身の研究成果を島の子ども達に伝える「ダイトウ学会」が開催されています。第2回となる今回は、D-ARKプロジェクトのメンバーである藤原義弘氏(海洋研究開発機構)と阿部公哉氏(琉球大学大学院)が講師として招かれ、島民の皆様へ研究成果を紹介する機会をいただきました。

深海洞窟はどのような環境?

深海の生き物はどんな姿か想像中

藤原氏は、「深海の環境」と「深海洞窟」をテーマに授業を行いました。
まず、深海がどのような環境であるか、また、その環境に適応して暮らす生き物たちがどのような姿や特徴をもっているのかについて、子どもたちに問いかけながら授業を進めました。

藤原氏 授業の様子

続いて、D-ARKが大東諸島を対象に深海洞窟の調査・研究を始めた理由を紹介しました。海中洞窟の内部は海水の流れが少なく、環境が長期間安定していると考えられています。そのため、世界各地の海中洞窟では、シーラカンスやムカシウナギなど、「生きた化石」と呼ばれる希少な生物が発見されていますが、深海洞窟内の生物についてはこれまで全く研究がなされていませんでした。
大東諸島は石灰岩からなる海洋島であり、陸上や浅海域には多くの鍾乳洞が存在します。そこで、「深海にも同様の洞窟があるのではないか」という仮説のもと、D-ARKプロジェクトが発足しました。実際の調査では、大小さまざまな穴を発見することができ、すでにいくつかの新種や希少種も報告しています。授業の最後には、こうした最新の研究成果を紹介し、深海洞窟を探る研究の面白さを子どもたちに伝えました。

大東諸島に生息する魚の特徴とは?

阿部氏 授業の様子

阿部氏は、「大東諸島の魚類」をテーマに授業を行いました。
大東諸島で見られる魚類は、沖縄本島周辺に生息する魚とまったく同じではありません。むしろ、ミクロネシアやハワイ、小笠原諸島など、遠く離れた海洋島で見られる魚と共通する種類が多く見られます。授業では、大東諸島という特殊な環境が、そこに生息する魚類の顔ぶれを形づくっていることが紹介されました。

例えば、大東諸島は黒潮から離れた場所に位置しているため、黒潮に乗って運ばれてくる魚よりも、自ら泳いで移動する能力の高い魚が定着しやすい環境です。また、大東諸島の海底は石灰化したサンゴ礁が広がり、生きたサンゴが少ないことから、サンゴ礁をすみかとする魚よりも、岩礁を好む魚が多く見られます。さらに、島の周囲は急激に深くなる地形であるため、水深の変化、すなわち水圧の変化に強い魚類が多く生息していることも特徴だと解説されました。

クイズを出題!

授業の後半には、大東諸島の魚クイズを実施しました。ヒントは沖縄ならではの地方名です。子どもたちは、阿部氏らが制作したポスター「大東諸島の魚100種〜浅海編〜」を手掛かりにしながら、楽しそうに答えを考えていました。

大東諸島の魚100選〜浅海編〜

深海洞窟に暮らす新種の生物を想像してみよう

図鑑を参考に描いてみよう

午後の部では、子どもたちと一緒に「南大東島の深海洞窟に暮らしていそうな新種の生き物」を考えるワークショップを行いました。
子どもたちは図鑑を参考にしながら、「こんな生き物がいたらいいな」「こんな特徴があったら面白そう」と想像を膨らませ、オリジナルの深海生物を描きました。完成したイラストはその場で缶バッジに加工し、記念として持ち帰っていただきました。

子供たちが考えた新種生物!

ダイトウ学会の会場は小中学校でしたが、生徒だけでなく、保護者をはじめ島民の皆様や観光で訪れていた方々にも開かれたイベントでした。多くの方々にD-ARKプロジェクトや海の生き物について知っていただく貴重な機会となりました。
今後の調査でも、皆さんが驚くような新種や新たな発見を目指し、研究に取り組んでいきたいと思います。

イベント詳細
イベント名第2回ダイトウ学会
日 時2026年2月20日(金)8:45~15:00
場 所南大東村小中学校(沖縄県島尻郡南大東村池之沢317)