重点課題 4 では、まず第一に、積乱雲等を桁違いの高解像度で忠実にシミュレーションすることで豪雨や竜巻などの局所的な現象の予測精度を向上し、実際の現象が起こるまでの時間をできるだけ長くする予測の実現を目指しています。この実現のために、現時点において活用できるあらゆる複数・異種類の観測データをどのように活用すればよいかについての予測技術を確立したいと考えています。この予測技術開発は、ポスト「京」上で稼働することで初めて実現することができるものであり、通常の予測技術開発スピードを一気に加速して20年程度の短縮が期待されています。
さらに第二に、2週間後から数か月先の極端現象や熱帯擾乱によりモジュレートされる台風発生の確率予測の実現や数年~数十年後の近未来における台風の変化の予測技術の確立、それら極端現象の海洋沿岸海域における影響などを予測する技術を確立することを目指します。
第三の目標として、人の健康を守るために、微小粒子状物質(PM2.5)や光化学オキシダントなどに対して世界最高水準の精度をもつ予測システムを開発することを揚げています。
これらの目標に揚げた科学技術は、いずれも私たちの近い将来にはどうしても必要になるだけでなく、その実現と達成には、ポスト「京」のようなスーパーコンピュータが必須です。