黒光りのドードー!編

2013/02/08

川口 慎介(海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域)

【いいか!いまオレが潜っているココが,この場所が,インド洋のど真ん中だ!】
今まさに,QUELLE2013計画で最初の「しんかい6500」の潜航調査が,インド洋のど真ん中「ドードー熱水域」で行われています。ドードー熱水域の発見には,ワタクシ自身が大きく関与してきたという自負がございます。2006年の「白鳳丸」航海では,深層海水中に熱水噴出に由来する煙成分を検出しました。つづく2009年の「よこすか」航海では,ドードー熱水域周辺で「しんかい6500」の窓から海底観察を行いました。ドードー周辺の海底は,グラッシーなバサルトのピローラバーやシートラバーで覆われており「カブトムシか!?サイパン合宿帰りの長州力か!?」と見間違えるほどに,黒く怪しく光っていました。現在の潜航研究者であるミヤジュンさんは,果たしてどのような景色を見ているのでしょうか。

さて,このレポートでは,船上の様子を基本的には赤裸々にお送りしています。
とはいえ,すべてを明け透けに紹介してしまうのも野暮ってもんですし,大人の事情みたいなものもあったりするので,すべてを明らかにしているというわけではありません。ということで,このレポートを「むむ,言葉を濁しよったわ」というような推理を働かせて読むと,また新しい世界が見えてくるかもしれません。

明日も天候・海況ともに良さそうなので,QUELLE2013第二弾の潜航を行えそうです。


写真1:たまり場で談笑するミヤジュンこと宮崎淳一博士(中央)


写真2:「しんかい6500」に颯爽と乗り込むミヤジュン