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領域テーマA:直面する地球環境変動の予測と診断人類の不注意によって進行しつつある地球温暖化への対策を講じるためには、将来どのようなことがどの程度起きるのか、信頼できる予測情報が必要です。本テーマでは、そのためのツールである気候モデルを高度化し、また大気や海洋の観測データをモデルに取り込んで、半年後のエルニーニョから、10年後、あるいは100年後の温暖化まで、様々な時間スケールの気候の変動を予測できるシステムを開発しています。さらにこのシステムを用いた数値実験を行うことによって、現在進行形の気候変動の解明に挑んでいます。
領域テーマB:安定化目標値設定に資する気候変動予測人間活動起源のCO2排出を減らした時、地球環境にはどれほどの影響があるのか ― こうした問題を考えるときには、植物の光合成などの生物・化学的過程も考慮する必要があります。本テーマでは、生物・化学 過程もとりいれた気候モデル「地球システムモデル」を用いて、地球規模の環境問題研究に取り組みます。
領域テーマC:気候変動リスク情報の基盤技術開発日本とその周辺域で起きる気候変動や気象現象について、統計を用いた解析や評価の手法を開発し、それがどの程度の確率で生じるのかを含む「想定しうるシナリオ」を描き出すことが目的です。地球温暖化に伴うリスクを考える上で基盤となる情報には、次の2つがあります。1つは確率的な情報、もう1つは起こり得る最大クラスの気象現象のシナリオです。前者は防災、後者は減災のために必要です。
領域テーマD:課題対応型の精密な影響評価地球温暖化によって、台風、洪水、土砂災害、川の流れ、森林や海洋などは、どう変化するのでしょうか? 本研究テーマの「課題対応型の精密な影響評価」は、温暖化と自然災害との関連を科学的に示し、今後どこまで深刻化するのかについて、100年先まで見通すことを目的としています。そのために、2つの解析手法を取り上げています。 - - - - - - 本研究テーマでは、上記の"将来影響の確率的評価"と"将来の最悪シナリオによる影響評価"の2つの解析手法を用いて、「自然災害に関する気候変動リスク」「水資源に関する気候変動リスク」「生態系・生物多様性に関する気候変動リスク」の3つの研究テーマで活発な意見交換を行いながら研究を進めています。