「みらい」北極航海レポート

2008年9月3日(水) アラスカ夏時間

最北更新情報 『北緯77度23分』

氷の島 今朝方、「みらい」はこれまでの最北記録を越えた。その後北上し続け、いまは午後4時、『北緯77度23分』(正確には22.917分)にいる。ここが現在「みらい」が進める最北ラインだ。遠くには氷が島のように敷き詰められている。 本船は砕氷船ではないので氷を砕いて進むことはできないが、氷の間を縫うようにして進むことは可能だ。まずレーダーで周辺の氷の状況を把握し、さらに眼前の氷を目視しながら航行してきた。そもそも、船が通れるような氷の隙間が存在するのは、事前に衛星データ等を用いて航路を精査しているからだ、ミクロとマクロの両方の視点を活用してたどり着いた、北緯77度23分だ。

 北上したこともあってか、これまで零下にはならなかった正午にもマイナス2℃を記録した。そしてもちろん、最北の海水を採取してから海域を後にした。氷を砕かなくてもここまでたどり着けるようになった、その理由を調べに来たのだから。


(「みらい」北極航海取材チーム 広報乗船者 米本)



「みらい」日本船の最北記録を更新中

みらい 北緯76度34分

本日4時29分(日本時間3日21時29分)、「みらい」は、日本船による最北記録を更新した。 『北緯76度35分』、これが今の「みらい」の航行地点だ。
実はこれまで日本の最高記録は2004年に「みらい」が到達した、北緯76度34分だった。そしてたった今、「みらい」は、かつての最北緯度を通過していったのだ。 北極海の急激な変化を物語る、氷の無い海面に包まれた物静かな記録更新だった。



(「みらい」北極航海取材チーム 広報乗船者 米本)