微量のサンプルで精度の良いデータのニーズが高まっています
近年の分析機器の高精度化および必要サンプル量の微量化を背景に、化石や岩石試料から微量のサンプルで精度の良い化学分析データをニーズが高まっています。このような微小領域からのサンプリング技術として、これまで顕微鏡下での手作業、ミクロトームや旋盤などが用いられてきました。しかし、これらの技術では精度に限界があります。
1/1000mm単位の正確な切削が可能
生物地球化学センターでは、高精度なマイクロミルシステムを、合資会社いずもWeb、島根大学の産学連携によって開発しました。2008年4月からは「Geomill326」として販売を開始し、安定した微小領域切削と切削に係る時間の短縮が可能となりました。
詳しくは、こちら(Geomill326ホームページ)。
調節、切削ともに柔軟に対応できる技術があります
Geomill326は、CMOSカメラを搭載し、PC上での手軽なリアルタイム観察ができます。同時に、可動式ステージを搭載し、専用ソフトを利用することにより、CMOSカメラから得た切削部位の画像上の座標点を、可動式ステージの座標点へと変換し、ステージを稼働することにより、表面研磨したサンゴ骨格、貝殻、鍾乳石などの成長縞、堆積物のラミナ、鉱物粒子、魚の耳石などの特定部位に沿った自動切削ができます。
持ち運び可能なコンパクト設計を実現
これまでの切削装置は、設置スペースがかなり必要で設置後の移動を想定しないものが多数です。Geomill326は、これまでの常識から抜け出し、高い精度を保ちながら持ち運び可能なコンパクト設計を実現しました。そして、さまざまなニーズに対応できるように装置のカスタマイズも可能です。
関連特許
坂井 三郎 「粉粒体回収装置」 特許第5009688号
坂井 三郎, 高安 克己, D.L. Dettman 「試料採取用マイクロミル」 特許第4608370号
坂井 三郎, 高安 克己, D.L. Dettman 「マイクロミリングシステムおよびその制御方法」 特許第4203860号
関連リンク
お問い合わせ
海洋機能利用部門 生物地球化学センター 有機分子研究グループ
主任研究員 坂井 三郎 saburos_AT_jamstec.go.jp ( _AT_ を@に)


