研究活動を通して得られた知見は、世の中に発表していくべきものであるが、様々な事情により発表できずに 「お蔵入り」 となるものが多少なりとも存在する。
たとえば化学実験法についてみると、 近年の機器分析にともなって、研究論文以下マニュアル以上という領域に、研究遂行上きわめて重要な情報が存在することが珍しくなくなってきた。また、もし発表されたとしても、ごく一部の専門家しか目を通さない専門誌などに掲載されるのが普通である。 PDF化されない紙媒体においては、ひっそりと図書室に眠っていて、その情報を必要とする人の手元に届かないことも多い。
こういった現状は、総体としてみれば研究(費)の無駄を増やし、最悪の場合、知識の喪失につながっていく。このことをなるべく避けるために、 当研究室では実施した研究に関連する情報を可能なかぎりホームページ上で公開していくことにした。
このサイトに載せたものには、多様な情報が含まれている。徐々に整理していく予定であるが、これらの中から重要な情報を見いだし、皆様の研究活動や教育活動に役立てていただければ幸いである。
令和2年4月1日
センター長 大河内 直彦
Eds. Ohkouchi, N., Tayasu, I., Koba, K., Kyoto University Press
この論文は、海洋表層において藻類が硝酸などを窒素源として取り込む際の窒素同位体分別についてまとめた論文である。出版されてからすでに30年以上が経つが、いまだに引用度の高い重要な論文である。
この3本は、和田英太郎先生が東京教育大化学科博士課程時の研究を、指導教官であった三宅泰雄先生とともに発表した論文である。 海洋における窒素同位体比の分布を初めて明らかにした研究で、現在でも貴重なデータを数多く含んでいる。入手しにくい雑誌に発表されたため、なかなか手に入れにくいので、ここに載せることとした。