セミナー情報(2016年度)

第4回 深海バイオ応用研究開発研究グループセミナー

第4回 深海バイオ応用研究開発研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者23名)
開催日時
2017年1月30日(月)13:00~
開催場所
横須賀本部本館1階 第1セミナー室
講演者
高橋憲司金沢大学 理工学域 教授)
園木和典弘前大学 農学生命科学部分子生命科学科 准教授)
上村直史長岡技術科学大学 生物機能工学 助教)
敷中一洋東京農工大学大学院 工学研究院 助教)
ホスト
大田ゆかり(海洋生命理工学研究開発センター)
主旨
当グループは、JST戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)プロジェクトに参加し、海洋微生物の代謝機能の理解と、その知見を基盤とするバイオマス活用技術開発に取り組んでいます。本セミナーでは、ALCAで活躍中の研究者をはじめ、多分野の方々との情報・意見交換や連携を進め、新たな成果の創出に繋げることを目的としています。
プログラム
  1. 13:00~13:25 高橋憲司
  2. 「イオン液体を用いたリグノセルロースリファイナリー」

  3. 13:25~13:50 園木和典
  4. 「リグニン由来フェノール類を原料としたムコン酸生産に向けて」

  5. 13:50~14:00
  6. 休憩

  7. 14:00~14:25 上村直史
  8. 「バクテリアのリグニン由来芳香族代謝システム ~基礎と応用~」

  9. 14:25~14:50 敷中一洋
  10. 「環境適応型プロセスによる植物バイオマスの抽出および機能素材としての利用」

要旨
こちらをご覧ください。
外部からの参加方法

外部からお越しの方は、下記連絡先へ事前にご連絡をお願いいたします。アクセスはこちらをご参照ください。

お申込み連絡先
受付は終了いたしました。

海洋生命理工学研究開発センター 新研究員 自己紹介セミナー

開催日時
2016念10月27日(木)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部本館1階 第1セミナー室
タイトル
物理学からひも解く脂質ラフト
講演者
下林 俊典(数理科学・先端技術研究分野/海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
"生体膜は多種類のタンパク質とリン脂質から構成されている"ことは古くから知られているが、これらの分子がどのように生体膜で構造を形成し機能しているかは未だによくわかっていない。約30年前生体膜内における多数のタンパク質とリン脂質の分布は均一ではなく、「特定の脂質種とタンパク質が局在するナノサイズの微小ドメイン構造(脂質ラフト)が多数存在し、この構造が膜内外の情報や物質のやり取りを行うプラットフォームの役割を担っている」という仮説が提案された。2000年代に入ると生体膜の再構成的研究が盛んに行われるようになり、脂質ラフトを彷彿とさせるドメイン構造が試験管内で確認された。このドメイン構造は物理学の概念である相分離構造として解釈されるため、"生体膜に存在するとされる脂質ラフト構造は物理学の概念である相分離構造として理解できるのではないか?"と現在では認識されている。このように物理学的な観点から脂質ラフトの構成原理を紐解こうとする研究は一定の成功をおさめている。しかしながら、未だ多くの未解決問題が残されている。本セミナーではその未解決問題に対して私が取り組んできた研究および今取り組みつつある研究に関してご紹介したい。

Prof. Rolf Kurt Thauer 講演会(海底資源研究開発センター/海洋生命理工学研究開発センター/深海・地殻内生物圏研究分野 共催)

Prof. Rolf Kurt Thauer講演会様子 Prof. Rolf Kurt Thauer講演会様子
セミナー風景
(参加者32名)
開催日時
2016年10月20日(木)13:30~
開催場所
横須賀本部本館1階 大講義室
講演者
Rolf Kurt Thauer (Max Planck Institute for Terrestrial Microbiology, Germany)
主旨
嫌気性微生物代謝研究のレジェンド、Prof. Rolf Thauer の講演会を開催いたします。基礎から最新の知見までじっくり語っていただける贅沢な時間となっています。
プログラム
  1. 13:30~14:30
  2. "The microbial methane cycle"

  3. 16:00~17:00
  4. "Carbon monoxide and the energy metabolism of acetogens"

外部からの参加方法

外部から参加される方は入構手続きをスムーズに行うため、下記連絡先へ【お名前】【ご所属】【連絡先】をご記入の上、10/19(水)正午までにお申込みください。アクセスはこちらをご参照ください。

お申込み連絡先
受付は終了いたしました。

海洋生命理工学研究開発センター/深海・地殻内生物圏研究分野 共催国際セミナー

開催日時
2016年9月8日(金)15:30~17:15
開催場所
横須賀本部本館1階 大講義室
講演者
Brett Baker (University of Texas, Austin)
Peter Girguis (Harvard University)
Gerhard J Herndl (University of Vienna)
プログラム
  1. 13:30~ Brett Baker
  2. "How genomics is enlightening microbial biodiversity and ecology of marine sediments"

  3. 14:45~ Peter Girguis
  4. "TBA"

  5. 16:00~ Gerhard J Herndl
  6. "Dissolved organic matter and microbes in the ocean: current knowledge and future perspectives"

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第3回 深海バイオ応用研究開発グループセミナー

第3回 深海バイオ応用研究開発グループセミナー様子
セミナー風景(参加者13名)
開催日時
2016年9月2日(金)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部本館1階 第一セミナー室
タイトル
カリウムイオンを感知して自律的に活性をスイッチングする機能性核酸の開発
講演者
山置佑大京都大学エネルギー理工学研究所 ポストドクトラル研究員)
ホスト
大田ゆかり(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
大腸菌や藍藻などのほぼ全ての細菌や真核生物は細胞内外へカリウムイオンを輸送する機構を備えていると考えられている。中でも哺乳動物においてはこの輸送機100mM、5 mMに保たれていることが知られている。そのため、カリウムイオン濃度に応じて自らの活性を制御する機能性核酸は、細胞の内と外で活性を切り替えることが可能な分子ツールと成り得る。このような分子は働くべき場所である細胞内でのみ、その高い活性を発揮することを可能とし、細胞内分子を標的とした核酸医薬品開発および細胞内への薬剤送達手法(DDS)開発に貢献することが期待される。核酸医薬品は低分子医薬品、抗体医薬品に続く第三の柱として期待されており、精力的に開発、臨床が進められている。
機能性核酸の開発にはその機能発現を支えている構造的知見を得ることが重要である。タンパク質や核酸などの生体高分子の立体構造解析にはX線結晶解析と並んでNMR法が用いられる。NMR法では試料の結晶化が必要なく、溶液中の生体高分子を観測し、構造解析可能な点が非常に有用である。NMR法では空間的に近距離に存在する原子どうしの距離情報を取得することが可能であり、この情報を積み重ねることで高分子の立体構造を決定する。これまでに我々の研究室ではNMR法を用いた構造解析から、グアニン残基に富んだ配列をもつ核酸が高濃度のカリウムイオン存在下で四重鎖構造と呼ばれるコンパクトな構造を形成することを示した。この知見より、本研究では、RNAアプタマー(標的分子を結合・捕捉する活性を有する機能性RNAの総称)の活性をグアニンリッチな配列を利用してカリウムイオン依存的にスイッチング可能な新規機能性核酸を開発した。さらにリボザイム(酵素活性を有する機能性RNAの総称)の活性についても同様の手法でカリウムイオン依存的にスイッチングすることに成功し、本手法がRNAアプタマーだけでなく他の機能性核酸にも適用可能であることを示した。本発表ではこれらのカリウム応答性機能性核酸の開発・改良の経緯および応用の可能性などについてご紹介したい。
 
   

第2回 深海バイオ応用研究開発グループセミナー

第5回 生命機能グループセミナー様子
セミナー風景(参加者17名)
開催日時
2016年8月9日(火)10:00~11:00
開催場所
横須賀本部海洋生態研究棟1階 第3セミナー室
タイトル
未活用化学資源の高度利用を可能とする合成化学の開拓(特に鉄元素科学について)
講演者
中村正治京都大学 化学研究所 教授)
ホスト
大田ゆかり(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
医薬品や農薬、電子材料などの機能性化合物の創出と、その持続的な供給手段の確立は、人類社会の現在そして未来の物質基盤を支えるものである。斯様な社会的要請を化学の未踏課題へと翻訳し、電子状態から分子集合体相互作用に渡る多層階層で分子科学的解決策を「探求」し、そこで見出だされる化学現象を「探究」することで学術としての化学を深化させる。これは、化学の根源命題である。現在の合成化学は、地球科学あるいは地政学的にも安定供給に危惧がある希少金属に大きく依存している。本研究を遂行するにあたって、私が念頭に置いてきたことは、社会と化学の関わり、とりわけ合成化学における未開拓化学資源の利活用である。1996年に助教の職を得たときに、低毒性かつ環境調和性と資源性に優れる鉄を触媒として、新規で有用な精密有機合成反応を開発することを目標として立て、爾来20年に渡ってその制御と応用に取り組んできた。本研究はその成果をまとめたものである。
 

第12回 新機能開拓研究グループセミナー

第5回 生命機能グループセミナー様子
セミナー風景(参加者15名)
開催日時
2016年6月16日(木)15:30~16:30
開催場所
横須賀本部本館1階 第一セミナー室
タイトル
ペプチドを利用した材料設計と細胞設計
講演者
沼田圭司理化学研究所 環境資源科学研究センター チームリーダー)
ホスト
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
アミノ酸が繋がることで構築されるペプチドは、幅広い生物学的・化学的機能を有しており、材料設計に組み込むことで多様な機能を実現することが可能となる。私どもの理化学研究所酵素研究チームでは、高分子科学の視点からペプチドの機能を最大限に活用した材料設計を行うことで、スパイダーシルクに匹敵する構造材料や、効率的かつ選択的に遺伝子を導入可能なペプチドに関する研究を進めている。本セミナーでは、植物が有する3種類のゲノム(核、葉緑体、ミトコンドリア)の編集および改変に関する研究を中心に紹介する。これらの技術は、物質やエネルギーの生産場である葉緑体やミトコンドリアを選択的に改変できるため、植物をはじめとした真核生物を利用した物質生産に必要不可欠な基盤技術となり得る。他方、深海微生物や海洋性の光合成細菌を利用した高分子合成についても研究を進めており、併せて紹介する。

第5回 生命機能グループセミナー

第5回 生命機能グループセミナー様子
セミナー風景(参加者15名)
開催日時
2016年4月21日(木)16:30~17:30
開催場所
横須賀本部海洋生態研究棟1階 第3セミナー室
タイトル
サンゴ骨格形成のメカニズムと進化
講演者
竹内 猛(沖縄科学技術大学院大学 マリンゲノミックスユニット 、東京大学 大学院理学系研究科・理学部)
ホスト
清水啓介(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
イシサンゴ類(Scleractinia)は刺胞動物門の分類群の一つで、炭酸カルシウム骨格を形成する。化石記録によるとイシサンゴ類はおよそ240Myaに出現し、現在ではサンゴ礁の主要な構成要素となっている。また、サンゴ骨格中の微量元素や同位体の組成は、骨格形成当時の海水温等を反映していると考えられていることから、サンゴ骨格は古環境推定にも広く用いられている。このように、サンゴ骨格は生態学や古環境復元において重要な研究対象であるが、その形成メカニズム自体については依然として不明な点が多い。特に、分子レベルでの研究はごく最近までほとんど行われていなかった。本研究では、2種のサンゴ(Acropora digitifera, Porites australiensis)の骨格プロテオーム解析を行い、サンゴ骨格有機基質タンパク質(skeletal organic matrix proteins,SOMPs)を網羅的に同定した。SOMPと、サンゴ以外の様々な動物ゲノムにコードされているタンパク質とを比較した結果、SOMPにはサンゴ固有のタンパク質(例えば酸性タンパク質)だけでなく、多細胞動物に普遍的に存在するタンパク質(例えばカドヘリン)が多数含まれることが明らかになった。また、A. digitiferaについて、SOMP遺伝子の各発生段階における発現解析を行った結果、ポリプ着底後の初期骨格形成期と成体の骨格形成期とでは、SOMP遺伝子の発現パターンが異なることがわかった。本発表ではさらに、それぞれのSOMPの骨格形成における役割や、サンゴ骨格形成の進化について議論したい。

数理科学・先端技術研究分野 & 海洋生命理工学研究開発センター 共同セミナー

開催日時
2016年4月12日(火)13:00~14:00
開催場所
横浜研究所情報技術棟5階 居室(MATシアター)
タイトル
Microstructure and yielding of colloidal clay gels
講演者
Prof. Ranjini Bandyopadhyay (Raman Research Institute)
要旨
Na-montmorillonite is a natural clay mineral and is available in abundance in nature. The aqueous dispersions of charged and anisotropic platelets of this mineral exhibit non-ergodic kinetically arrested states ranging from soft glassy phases dominated by interparticle repulsions to colloidal gels stabilized by salt induced attractive interactions. When the salt concentration in the dispersing medium is varied systematically, the viscoelasticity and yield stress of the dispersion show non-monotonic behavior at a critical salt concentration, thus signifying a morphological change in the dispersion microstructures. We directly visualize the microscopic structures of these kinetically arrested phases using cryogenic scanning electron microscopy. We observe the existence of honeycomb-like network morphologies for a wide range of salt concentrations. The transition of the gel morphology, dominated by overlapping coin (OC) and house of cards (HoC) associations of clay particles at low salt concentrations to a new network structure dominated by face–face coagulation of platelets, is observed across the critical salt concentration. We further assess the stability of these gels under gravity using direct imaging and electroacoustics. Our study, performed for concentrated clay dispersions for a wide concentration range of externally added salt, is useful in our understanding of many geophysical phenomena that involve the salt induced aggregation of natural clay minerals.