セミナー情報(2014年度)

第6回 新機能開拓研究グループセミナー

第6回新機能開拓研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者30名)
開催日時
2015年2月9日(月)15:00~16:15
開催場所
横須賀本部 海洋生態研究棟1階 セミナー室
テーマ
生物と振動 その2 ―イルカ・クジラ―
講演者
赤松友成水産総合研究センター 水産工学研究所 エネルギー・生物機能利用技術グループ長)
ホスト
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
椿 玲未(海洋生命理工学研究開発センター)
主旨
海洋の人為的雑音が海洋生物に及ぼす影響が、現在大きな注目を集めています。海洋生命理工学研究開発センター・新機能開拓研究グループにおいても、低周波振動に対する海洋生物の応答に焦点を当てたバイオミメティック研究開発を進めようとしています。その一環として、水中生物音響の第一人者である水産総合研究センター・赤松友成先生をお招きし、セミナーを開催いたしますので是非ご参集ください。なお、セミナーの冒頭、事業推進部の重冨企画調整統括より、水中騒音問題に関する国際規制の最新動向に関する説明もあります。
要旨
光が遠くまで届かない海の中は音の世界です。イルカをはじめ多くの生き物が生き残りをかけて音を発したり聞いたりしています。かれらは音で海中を探り、遠距離コミュニケーションを行い、ときに大合唱します。海の生き物の巧みな音の使い方と、最近これを海洋生物観測に利用し始めた人間の工夫をご紹介します。

第5回 新機能開拓研究グループセミナー

第5回新機能開拓研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者20名)
開催日時
2015年2月5日(木)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部本館1階 第一セミナー室
講演者
Prof. Marina Tsianou (Department of Chemical and Biological Engineering, University at Buffalo, The State University of New York)
タイトル
「Biomimetic Mineralization via Designer Macromolecules and Environments」
ホスト
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
Living organisms are able to form morphologically diverse minerals produced in a complex manner and in media of specified compositions. In most biomineralization processes many soluble biopolymers exist in minute quantities; these control the nucleation, growth, orientation, and polymorph selection, leading to the formation of minerals with diverse biological functions and distinct properties such as corals, shells, otoliths, bones and teeth (beneficial mineralization), as well as pathological processes, e.g., bone disease, dental calculus, and renal stone formation. This presentation will highlight our recent efforts in exploiting bio-inspired strategies toward the fundamental understanding of the factors that control the nucleation and growth of important biominerals such as calcium carbonate, calcium oxalate, and calcium phosphate. We establish that water-soluble macromolecules (polyelectrolytes, polypeptides, surfactants) mimic in an effective way the role of soluble biomineralization polymers and can control the final morphology and polymorphic occurrence by face-selective adsorption on crystals (thermodynamic regime) and/or by temporarily stabilizing ‘less stable’ polymorphs (kinetic regime). Furthermore, we investigate the role of organic matrix as mediator of the mineralization and as provider of a structural framework for mechanical support. We employ hydrogels which serve as excellent models of the extracellular matrix microenvironment. Hydrogels, through their 3D-network structure, provide many small crystallization compartments where nucleation and growth are mostly controlled by the diffusion of ions through the matrix, thus resulting in lower nucleation densities and control over the growth. By judicious selection of the conditions we can control the local supersaturation, the structural framework for growth, and the final morphology of crystals. Our findings provide insights into the formation of organic-inorganic composite materials with the same specialization and complexity as those in nature.

生命機能研究グループ 第2回分野横断セミナー

開催日時
2015年1月27日(火)13:30~
開催場所
横須賀本部 海洋生態研究棟1階 セミナー室
テーマ
アイソトポマー・同位体標識を使った代謝・生態解析
ホスト
布浦拓郎(海洋生命理工学研究開発センター)
主旨
物質循環や生物代謝を解明するに、安定同位体基質は不可欠なツールとして用いられてきた。一方、従来の解析手法では、必要な試料量、解析の解像度の面で、汎用性に欠ける等の問題があったのも事実である。しかし、近年の化学分析技術の進歩に伴い、従来に比べ遙かに微量な試料で、高解像度の解析が可能になり、実際、機構内においても様々な興味から、窒素・炭素循環・代謝に関わるそれぞれ独自の先端的な研究が進められている。今回、機構内の知識を共有し、今後の新たな研究展開に繋げるべく、今回のワークショップを企画した。また、演者らは、同位体標識実験による天然同位体試料汚染を避ける為、同位体標識実験環境の整備も検討を進めており、その点についても、議論を深めたい。なお、このワークショップは、昨春に大好評いただいた海洋窒素循環研究放談会の拡大版として開催する。
内容
  1. 一酸化二窒素の同位体比による窒素代謝解析の可能性
  2. 木庭啓介(東京農工大学大学院農学研究員 准教授)

  3. 未培養微生物の代謝解明に向けた有機化学的アプローチ
  4. 高野淑識(生物地球化学研究分野

  5. NMR、GC/MS、IRMSを使った分子内同位体標識の検出
  6. 力石嘉人(生物地球化学研究分野

  7. アミノ酸アイソトポマー解析が示す好熱硫黄還元菌の可逆的TCA回路
  8. 布浦拓郎(海洋生命理工学研究開発センター

  9. 同位体ラベル実験による底生有孔虫細胞内の窒素循環解析
  10. 野牧秀隆(生物地球化学研究分野)

  11. 硫黄酸化細菌を共生させる二枚貝類の有機物合成
  12. 豊福高志・長井裕季子 他(海洋生物多様性研究分野

  13. 安定同位体標識実験環境の整備

海洋生命理工学研究開発センター 特別セミナー

開催日時
2014年11月18日(火)16:00~17:30
開催場所
横須賀本部本館1階 大講義室
講演者
相澤益男(科学技術振興機構 顧問)
タイトル
「イノベーション指向の時代に研究機関が果たすべき役割」
ホスト
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
主旨
国から出口指向の研究が求められる傾向が強くなってきている。その一方で現場の研究者の間には「出口指向の研究」の中身についてとまどいが見られる。海洋研究開発機構では、現中期計画の策定に当たって相澤先生を座長にお迎えして平成25 年9 月から26年2 月にかけて5 回の「環境・社会システム統合研究フォーラム『海洋生命工学の新たな展開』を開催し、社会的課題の解決に向けた「海洋生命工学」研究の方向性について議論を行った。その議論の中でも、研究者が考えている「出口指向の研究」の姿と、国が求めている「出口指向の研究」の姿に大きなギャップがあることが明らかとなった。それを受けて、「出口指向」の時代に国が大学・独立行政法人に求めている役割を、海洋研究開発機構の役職員、特に今後を担う若手の研究者に明確に理解してもらうべく、今回の講演会を企画した。
スケジュール(予定)
  1. 16:00~16:05 開会挨拶
  2. 海洋研究開発機構 理事長 平 朝彦

  3. 16:05~16:15 プレゼンテーション「昨年のフォーラムを受けた機構の取り組み」
  4. 海洋研究開発機構 海洋生命理工学研究開発センター長 出口 茂

  5. 16:15~17:15 講演「イノベーション指向の時代に研究機関が果たすべき役割」
  6. 科学技術振興機構 顧問 相澤益男

  7. 17:15~17:25 質疑応答

  8. 17:25~17:30 閉会挨拶
  9. 海洋研究開発機構 研究担当理事 白山義久


第4回 新機能開拓研究グループセミナー

開催日時
2014年11月17日(月)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
講演者
飯野亮太(自然科学研究機構 教授)
タイトル
「1分子と1細胞のレベルで観るタンパク質分子機械の動きや働き」
ホスト
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
生命の活動はタンパク質分子で出来た機械が支えています。これらの分子機械はナノサイズでとても小さいですが、人間が作った機械に負けない優れた性能を発揮します。本講演では、1)細胞のエネルギーを作る回転するタンパク質、2)細胞内で荷物を運ぶ歩くタンパク質、3)多剤耐性菌の原因となる薬剤排出タンパク質等について、その動きや働きを1分子や1細胞のレベルで調べた成果をお話しします。

第1回 深海バイオ応用研究開発グループセミナー

第1回深海バイオ応用研究開発グループセミナー様子
セミナー風景(参加者26名)
開催日時
2014年8月13日(水)10:00~11:00
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
講演者
大田ゆかり(海洋生命理工学研究開発センター)
タイトル
「リグニンの有効利用を目指した深海微生物の応用研究」
要旨
リグニンは、高等植物の多くに存在し、自然界においてセルロースに次ぐ多大なバイオマスであり、構造的には数種の芳香族モノマーが重合したヘテロポリマーである。リグニンという名称は「木材」を意味するラテン語lignumから名づけられている通り、木材中の20-30%を占めており、道管、仮道管、繊維などの組織で作られ、その後細胞間層で蓄積が起こり、徐々に一次壁、二次壁へと沈着する。その際に同時にヘミセルロースも堆積し、木化が進行する。これまでのリグニンの利用実績は大変限定的であり、木材からパルプ・製紙工程における副産物である黒液として回収され、バニリンや接着剤あるいは低位燃料の原料として僅かに利用されているのみである。リグニンはその構造から判断すると化石由来原料の代替物として大きな需要ポテンシャルを持つにも関わらず、あまり利用法の開発が進んでこなかったことの大きな原因はリグニンの複雑な構造に起因する。リグニンを化学的に可溶化する方法の開発も以前より幾つも試みられているが、これといった最適法の開発には至っていない。生物学的なリグニン分解法の検討も幾つか報告されている。特に白色腐朽菌によるリグニン分解の研究は有名であり、ラッカーゼ、リグニン・ペルオキシダーゼおよびマンガン・ペルオキシダーゼのような酸化酵素がその分解の中心を担うことが報告されてい る。しかしながらこれらの酵素反応を用いた場合、非特異的な副反応が起こり、その後、芳香族化合物を抽出して工業的に利用することはできない。現在、深海バイオ応用研究開発グループではリグニンの応用に利用できそうな深海微生物を探索しており、その経過を報告します。

横浜研究所 休日開館 地球情報館公開セミナー

横浜研究所休日開館公開セミナー様子
セミナー風景(参加者55名)
開催日時
2014年7月19日(土)13:30~15:00
開催場所
横浜研究所 三好記念講堂
講演者
椿 玲未(海洋生命理工学研究開発センター)
タイトル
「カイメン四方山話 ―生態と進化のふしぎ―」
要旨
カイメンは最も原始的な多細胞動物として有名です。また、乾燥させたカイメンはボディスポンジとして利用され、私たちの生活にもなじみ深い生き物です。しかし、ほとんどの人はカイメンが生きているときどんな姿で、どういう暮らしをしているのかは知らないのではないでしょうか。本講演ではどこにでもいるのにあまり注目されない、日陰者のカイメンたちにスポットを当てて紹介したいと思います。

第2回 生命機能研究グループセミナー

第2回生命機能研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者23名)
開催日時
2014年7月10日(木)14:30~15:30
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
講演者
飯郷雅之(宇都宮大学農学部 教授)
タイトル
「魚類の日周リズムと季節リズム」
ホスト
宮本教生(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
地球の自転による昼夜,公転による四季の移り変わりは、生体機能に大きな影響を与えています。生物の生理、行動、代謝など多くの生命現象は、体内時計(生物時計)によって支配された日周リズムを示し、繁殖、回遊・渡りなどには季節リズムがみられます。これらの周期的現象はどのように制御されているのでしょうか?本講演では、魚類の体内時計と季節繁殖の分子機構に関わる最近の知見を、メラトニンの日周リズムや時計遺伝子の発現リズム、血管嚢の季節センサーとしての役割などについて、我々の研究成果を交えて紹介するとともに、現在進めようとしている「深海魚体内時計プロジェクト」についてお話し致します。

第3回 新機能開拓研究グループセミナー

第3回新機能開拓研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者22名)
開催日時
2014年7月4日(金)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
テーマ
生物と振動 その1 ―カミキリムシ―
講演者
高梨琢磨(森林総合研究所 主任研究員)
タイトル
「昆虫における振動情報の機能解明と害虫防除への応用」
ホスト
椿 玲未(海洋生命理工学研究開発センター)
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
主旨
海洋生命理工学研究開発センター・新機能開拓研究グループでは、振動に対する海洋・深海生物のレスポンスに焦点を当てたバイオミメティック研究開発を進めようとしています。その一環として、振動に対する昆虫の応答を害虫防除に応用されている高梨琢磨先生をお招きし、セミナーを開催いたしますので是非ご参集下さい。

第1回 生命機能研究グループセミナー

第1回生命機能研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者25名)
開催日時
2014年6月20日(金)14:00~15:00
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
講演者
入江直樹(東京大学大学院理学系研究科 准教授)
タイトル
「発生砂時計モデルにまつわる謎」
ホスト
宮本教生(海洋生命理工学研究開発センター)
主旨
「胎児の発生は、原始的な単細胞の姿にはじまり、魚や両生類のように見える祖先的な時期を経て、ヒトの形にだんだんと近づいていく…?」こんな話(=ヘッケルの反復説)をご存知でしょうか。ここから、発生初期ほど保存されているという考えが出てきたのですが、その検証は難しく百数十年にも渡る議論にもかかわらず真相は薮の中でした。これに対し、最新の技術により現代生物学者がようやく新たな扉を開き、進化と発生の関係性を定式化するには「発生砂時計モデル」が妥当であることが、遺伝子発言レベルの解析からわかってきました。しかし、答えより問題の方が多く生じるのが科学の常。すっきりと問題が解けたかと思いきや、実は現代生物学者の直観とはやや違った理解を示していました。本セミナーでは、観念論で語られてきた分野に次世代シーケンサーや情報技術を駆使して取り組んだ研究と、当該分野に生じた新たな疑問について議論したいと思います。

第2回 新機能開拓研究グループセミナー

開催日時
2014年6月2日(月)10:30~11:30
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
講演者
椿 玲未(海洋生命理工学研究開発センター)
タイトル
「海綿動物のボディプランに学ぶ技術開発に向けて」

海洋生命理工学研究開発センター/深海・地殻内生物圏研究分野 第1回 合同セミナー

開催日時
2014年4月25日(金)15:00~17:00
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
タイトル
「ウィルス三者三様 ―多様性・資源化・ソフトマテリアル―」
内容
  1. Viruses of the Extreme
  2. 望月智弘(Blaise Pascal University ポストドクトラル研究員)

  3. 私とウィルス~ウィルス資源化計画~
  4. 浦山俊一(海洋生命理工学研究開発センター)

  5. ソフトマテリアルとファージ技術の接点
  6. 芹澤 武(東京工業大学大学院総合理工学研究科 教授)


生命機能研究グループ 第1回 分野横断セミナー

開催日時
2014年4月24日(木)14:00~
開催場所
横須賀本部別館3階 旧XBRセミナー室
テーマ
海洋窒素循環研究放談会 その1
ホスト
布浦拓郎(海洋生命理工学研究開発センター)
主旨
近年、海洋の窒素循環におけるブラックボックス化されてきた微生物機能が急激に解明されつつある。代表的なものとして、海洋で最も優占する微生物の一つであるアンモニア酸化アーキアの発見や、このアーキアが全海洋から放出されるN2Oの相当部分を生産しているとする指摘(そもそもN2O生産はこのアーキアの増殖に不可欠である)、そして嫌気的アンモニア酸化の担い手の発見等が挙げられる。その他にも、海洋表層における新たな窒素固定微生物、暗黒の窒素固定等、毎年の如く新たな知見が付加されている。今後、これらの新しい微生物学知見が気候変動予測等に関わる窒素循環モデルの高精度化へは勿論、資源開発に伴う環境評価等にも貢献することは間違いないであろう。 今回、研究の現場における知識・スキルを共有するきっかけとなることを期待しつつ放談を企画した。
内容
  1. 海洋N2Oをめぐる窒素循環研究 ―現状と展望―
  2. 豊田 栄(東京大学大学院総合理工学研究科 准教授)

  3. 地球システムモデルと窒素循環
  4. 羽島知弘(気候変動リスク情報創生プロジェクトチーム

  5. 海洋N2Oアイソトポマーモデルの開発
  6. 吉川智里(生物地球化学研究分野

  7. 漏れの無い窒素固定速度定量:溶存有機窒素(DON)の同位体測定
  8. 今野祐多(深海・地殻内生物圏研究分野

  9. 海洋における硝化菌生理・生態
  10. 布浦拓郎(海洋生命理工学研究開発センター)

  11. 深海堆積物の窒素動態
  12. 西澤 学(海洋地球生命史研究分野

  13. プロジェクト、分析機器等についての情報交換

第1回 新機能開拓研究グループセミナー

開催日時
2014年4月15日(火)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部別館1階 セミナー室
講演者
松山秀人(神戸大学大学院工学研究科 教授、先端膜工学センター長)
タイトル
「神戸大学先端膜工学センターの取り組みと研究紹介」
ホスト
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
阪口 秀(数理科学・先端技術研究分野
リンク
神戸大学先端膜工学センター