1960年代にフランスの養殖カキが大量に斃死し、カキ養殖漁業が壊滅しかけました。その時に三陸の種ガキが輸出され、フランスのカキ養殖が復活しました。それ以来、三
陸とフランスのカキ養殖の産地の間には強い絆ができました。今回、三陸を襲った津波により、三陸のカキ養殖を含む沿岸漁業が崩壊しました。現在、復興の取り組みが始まっていますが、三
陸の沿岸漁業をさらに持続的に発展させることが重要となっています。フランスにおいては、日本よりも早くから漁業を含む沿岸域の持続的な発展や沿岸域管理に関する取り組みが行われてきており、多
くの経験を積んでいます。
本プロジェクトでは、公益財団法人日仏会館の日仏共同研究の援助を得て、日仏海洋学会と仏日海洋学会(SFJO France)が協力し、フランス人の沿岸域管理の専門家や養殖関係者を日本に招き、現
地視察(三陸沿岸)、セミナー(塩釜)を行い、復興を目指し被災した三陸沿岸の持続的な開発についての議論を多角的に行います。そのためセミナーの前にフランス側参加者は現在の三陸の状況を視察し、フ
ランスの代表団に現在および将来の問題を肌で理解していただきます。この視察の後に続く塩釜でのフランス代表団を交えたセミナーを通じて、日
本の関係者がフランスにおける持続的な沿岸域の開発の方法を学ぶとともに日仏共通の問題を議論し、将来の計画に活かすことを重要な目的としています。フランスのSFJO France、ADA、マ
ルセイユサンジャンロータリークラブ、Air Liquide基金、ブルターニュカキ養殖関係者等の組織が、日本の(株)離合社、オリンパスメディカルサイエンス販売(株)の協力を得て日仏海洋学会とともに、三
陸の沿岸漁業者にとって必須な顕微鏡、プランクトンネット、ライフジャケット等を提供し援助しました。この機会にこれらの援助がどのように活用されているかをフランス代表団に確かめていただくこと、本
プロジェクトを通じて日仏の漁業や沿岸域管理の研究者、漁業者などの間のネットワークを形成することも目的の一つです。最
後に三陸と関係の深いフランスのカキ養殖の現状とその管理についての紹介を行うとともに今回の日仏交流で得られた成果を市民の方と分かち合いたいと考え、日仏会館において講演会も開催します。なお本日は、上
記の目的のために東北区水産研究所、日本水産学会東北支部、東北マリンサイエンス拠点形成事業の後援を受け、塩釜において「三陸の沿岸漁業の復興を目指す日仏シンポジウム-特
に津波被害からのカキ養殖の復興に向けて」というテーマで日仏セミナーを開催します。
9:00-9:10
9:10-12:00 津波被害から復興へ
12:00-13:00 昼食
13:00-15:30
15:30-15:40 コーヒーブレイク
15:40-17:10
17:10-17:40 討論 「三陸の沿岸漁業・カキ養殖の復興を目指す日仏協力と将来への提言」
17:40-17:50
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