2014年 1月 22日
独立行政法人海洋研究開発機構
この度、国際深海科学掘削計画(IODP: International Ocean Discovery Program)(※1)の一環として、「南シナ海形成・拡大史の解明」(別紙参照)を実施するため、米国が提供するジョイデス・レゾリューション号(※2)の研究航海が1月26日から開始されます。
本研究航海では、南シナ海を掘削し(水深約3800~4400m、海底下最大1900m程)、コア試料の回収・分析を行うことで南シナ海形成と拡大の歴史を明らかにするため、日本から1名が参加するほか、米国、欧州、中国、オーストラリアからも含め、計31名の研究者が参加する予定です。
※1 国際深海科学掘削計画(IODP: International Ocean Discovery Program)
平成25年(2013年)10月から始動した多国間国際協力プロジェクト。現在、欧州(19カ国)、中国、韓国、豪州、インド、NZ 、ブラジルの27ヶ国が参加。日本が運航する地球深部探査船「ちきゅう」と、米国が運航する掘削船ジョイデス・レゾリューション号を主力掘削船とし、欧州が提供する特定任務掘削船を加えた複数の掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動、地球内部構造、地殻内生命圏等の解明を目的とした研究を行う。
※2 ジョイデス・レゾリューション号(右写真)
米国が提供するノンライザー掘削船。我が国が提供する地球深部探査船「ちきゅう」と比べて浅部の掘削を多数行う役割を担う。
別紙
南シナ海形成・発達史の解明
1.日程(現地時間)
なお、気象条件や調査の進捗状況等によって変更の場合があります。
2.日本から参加する研究者
氏名 | 所属/役職 | 担当研究分野 |
---|---|---|
Maria Luisa Tejada | 海洋研究開発機構/研究員 | 岩石学者 |
3.研究の概要
本研究航海では、南シナ海の海底を掘削し、コア試料の採取・分析を行うことで、南シナ海の形成と発達の歴史を明らかにする研究を行います。
南シナ海は、今から約3200~1600万年前に形成されたとされていますが、日本列島と同様に複数枚のプレートの運動による複雑な地殻変動の影響を受ける場であることから、その形成や発達の正確な年代やメカニズムは未だ明らかにされていません。本研究では、南シナ海の3か所(水深約3800~4400m)において、海底堆積物とその下の玄武岩地殻を掘削・回収し、南シナ海の形成・拡大の開始と終了の年代を明らかにするとともに、南シナ海の発達に伴う周辺域の古海洋環境の変化(例えば昔の海水温や海流の方向・強さどうだったかなど)や地殻変動との関連性について解明を目指します。
図1 本航海の掘削予定地点。赤丸が優先掘削サイト(SCS-6A, SCS-3G, SCS-4B)、オレンジ及び黄色が代替掘削サイト。