プレスリリース
2015年 10月 15日
国立研究開発法人海洋研究開発機構
国立大学法人京都大学
海洋研究開発機構と京都大学が包括連携協定を締結
1.概要
国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「海洋研究開発機構」)と国立大学法人京都大学(総長 山極 壽一、以下「京都大学」)は、我が国の学術研究と教育の発展、海洋科学技術の向上に、新たな重要な役割を果たすことを目的とし、包括連携協定を締結しました。
2.経緯・目的
海洋研究開発機構と京都大学は、これまでも海洋科学技術分野全般にわたって、個別の研究課題毎に協力関係を構築し、研究を進めてきました。今回、共にフィールドワークに強い特長を持つ両機関が本協定を締結することによって、極限環境生命圏探索と微生物資源の応用研究、地震発生帯研究、フロンティア材料工学、ネオ土木工学、海洋力学等の広範囲な研究分野における一層の協力が見込まれます。また、本協定のもと、両機関の研究開発基盤や人的資源をベースとした共同研究・プロジェクトの推進、人材交流、教育研究、人材育成等を促進することで、我が国の学術研究と教育の発展、海洋科学技術の向上に資することを目指します。
3.有効期間
平成27年10月15日から平成28年3月31日まで
以後は双方協議の上、満了日の翌日からさらに1年間更新するものとする。
4.連携内容
- (1)
- 共同研究・プロジェクトの推進
①横断的フィールドワーク、②極限環境生命圏探索と微生物資源の応用研究、③地震発生帯研究、④フロンティア材料工学・ネオ土木工学、⑤海洋力学等、多分野にわたる研究テーマであらゆる課題に対応可能な共同研究・プロジェクトを推進。
- (2)
- 人材交流
兼任、クロスアポイント制度等による柔軟な人材交流
- (3)
- 教育研究の協力
連携大学院、連携講座の設置等による教育研究の活性化
- (4)
- 人材育成
海洋科学技術の新領域を創出できる次世代の人材育成
- (5)
- 施設・設備等の利用
ファシリティ・ラボの相互利用等
5.期待される成果
共同研究・プロジェクトの推進によって、以下のことが期待されます。
- ①
- 世界最先端の分析技術とファシリティを最大限に活用して、森から深海底に至る多様な生態系を横断的にカバーし、各生態系の構造と機能ならびに相互の関連を解明することによって生物多様性の維持、環境保全、食料資源の確保など、自然資本の持続的な利活用を実現。
- ②
- 極限環境生命圏の探査研究と技術開発が、極限微生物の生理・機能の最先端研究と有機的に結びつくことにより、地球環境の微生物学的ダークマター(未利用微生物多様性や機能)の解明とその社会的応用を加速。
- ③
- 海域観測・深海掘削データの解析や数値シミュレーションによる地震発生帯の実態解明と、その成果に基づく地震シナリオの多様化。
- ④
- 世界最先端の材料科学と、深海の極限環境にインスパイアされた革新的プロセス技術とのインテグレーションによって、次世代ナノ材料システムを創出し、再生医療、二酸化炭素の排出量削減、次世代エネルギー、ネオ土木分野等へ貢献。
- ⑤
- 最先端の観測技術・シミュレーション技術を最大限に活用した、海洋力学の新しい理論・理解の創造と、基礎科学の成果としての社会への発信。
さらに、これら研究成果の創出と共に、両機関が融合、連携を強めることで、教員の派遣、学生の受入れ、研究指導など教育や若手人材の育成が促進され、次代を担う人材の育成と輩出が期待されます。