ちきゅうレポート
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「航海は終わったけれど、これが新たな始まり」2011年1月28日

「ちきゅう」の第333次航海はおわり、私たち研究チームは1月11日に新宮港で下船しました。「ちきゅう」はゆっくりと陸へ近づき、暗いうちから少しずつ陸が見えてきました。

朝早く陸地が見えてきたので、待ちきれなくなってヘリデッキから新宮港を眺める二人。
寒いけれどうれしそう。


さらにゆっくり新宮港に近づいていきました。さすがに大きな船なので慎重です。その間に朝日が昇りました。下船を祝ってくれるかのように綺麗な朝日でした。


朝日。ここから見る朝日はこれで最後。最後を祝ってくれたのか、珍しく雲が少なかった。

あの日から少し時間がたちました。みんなはそれぞれ自分のおうちに帰り、もう自分たちのもともとの仕事に戻っている事でしょう。とかいう、私も今回の航海が夢だったのではないか?と思うくらい、乗船する以前の日常(よりも忙しい)に戻っています。おそらく、みんな同じような状況にあるのだろうと想像します。

今回の航海は通常よりも短かったということで、そのためかわかりませんが、作業や研究レポートなどが、あっという間に終わったという感じがあります。だからこそ、夢だったのではないか?と思わされているのかもしれません。けれど、今の私の目の前にある大量のサンプルは、まぎれもなく「ちきゅう」乗船中に採取したもので、これから行う分析作業の大変さと同時に、ここから得られる研究データを早くだしたいという希望とが入り交じったなんとなく複雑な心境です。

里口がサンプルリクエストをだしていたサンプル。私自身が船上でサンプリングしたものも含まれているので、まぎれもなく「ちきゅう」から送られてきた試料。箱一つだけれど、分析するこれからが大変。

おそらく多かれ少なかれ、他の研究者も同じように感じている事でしょう。なので、航海は終わったものの、サンプルリクエストを出していた研究者にとっては、新たな始まりともいえます。

「I'll come back Chikyu again!」

さて、第333次航海のレポートは今回で終わりです。このページで、今回の航海の様子がうまく伝えられたかどうか分かりませんが、少しでもこの航海のおもしろさや重要さなどが伝わっていたら幸いです。 こういった研究航海に興味を持たれた方、とくに若い研究者やこれから研究者を目指そうという方々は、まだまだこういうチャンスがあると思うので、是非トライしてほしいと思います。

では、最後に「ちきゅう」上での集合写真で締めくくりたいと思います。

「ちきゅう」のヘリデッキで撮影した集合写真。天気がいい日が少なくて、集合写真を撮る日に困った。寒かったけれど、みんないい顔しています。

それでは、みなさま、最後までご愛読いただき、どうもありがとうございました。

里口 保文(琵琶湖博物館

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