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海洋観測研究センター

大気海洋セミナー

第287回横須賀大気海洋セミナー

日時
5月7日(火) 10:00~11:00
場所
オンライン
発表者
金子 仁 (むつ研究所)
タイトル
下北半島北岸周辺における陸域水の影響
要旨
むつ研究所では、津軽海峡東部を対象海域として、海洋短波レーダーによる表面流速観測や、ブイなどによる水温等の時系列計測、調査船観測、岸壁採水等を通じた海洋環境の把握・変動予測の研究開発を行っている。
これまでの研究により、津軽海峡東部での流動場の季節変動特性、例えば、夏季〜秋季には、海峡から太平洋側へと流出する「津軽暖流」が下北半島沿岸から離れ、海峡中央部を流れること、また「津軽暖流」と下北半島沿岸との間に直径 20〜30km 程度の時計回り循環が形成されること、この循環周辺では高いクロロフィル濃度分布がみられることなどがわかってきた。
「津軽暖流」は黒潮と同様に高温・高塩分の亜熱帯系水の特性を示すため、栄養塩は低いと考えられている。しかし上述の時計回り循環周辺の高濃度クロロフィルは、何らかの局所的な栄養塩供給が存在することを示唆している。またこの循環内では、植物プランクトン組成も「津軽暖流」の流軸付近と異なり、夏季には相対的に珪藻類が多い特異的な環境となっていたことが報告されている (Isada et al. 2017)。 発表者は、科研「マクロ沿岸海洋学」の枠組みの中で、上記循環に供給される栄養塩の起源に注目し、河川水や湧水などの陸域水の分析を行い、近隣漁協傭船等による沿岸観測なども実施することで、実態解明を進めている。本発表ではその成果について報告する。

第286回横須賀大気海洋セミナー

日時
4月16日(火) 10:00~11:00
場所
オンライン
発表者
茂木 耕作(CCOAR)
タイトル
パラオを拠点とした航空機観測による熱帯中緯度相互作用研究
要旨
JAMSTECでは、熱帯と中緯度の大気が相互に及ぼす影響を解明する目的で、パラオを拠点とした航空機観測を2002年から2010年にかけてのべ19飛行実施した。ドロップゾンデ設備を搭載した航空機を用い、必要な場所と適切なタイミングで観測データを合計142地点で取得した。そのデータを用いて、
  1. 中緯度から熱帯への影響・日本の梅雨前線上の低気圧が熱帯まで南下し冷たい空気を取り込む渦を形成
  2. 熱帯の陸から海への影響・ニューギニア島から吹き出す冷たい風が雨雲を長距離北進させる
  3. 熱帯から中緯度への影響・大気再解析データセットに航空機観測データを追加した影響が可視化され、パラオ周辺と日本周辺の大気の強い連動が確認された
    という成果が得られた。
今後の展望として高層気象、海洋観測の多面的観測の充実と長期的継続が日本にとって極めて重要であることを示した。

3/25に開催されたパラオシンポジウムでの録画発表の内容を一部掘り下げて紹介する。
https://youtu.be/oDF-8IcAmog

Googleスライド(コメント記入可能)
https://docs.google.com/presentation/d/1REk-1rtsgLfNEG8TX_6JP3Ucj9IikQWIWq3Xy3coN4w/edit?usp=sharing

第285回横須賀大気海洋セミナー

日時
4月9日(火) 10:00~11:00
場所
海洋研究棟304セミナー室+オンライン(ハイブリッド形式)
発表者
赤澤 文彦(GOORC)
タイトル
衛星データのセキュアな転送と保存
要旨
衛星データのセキュアな転送と保存に焦点を当てます。VPN接続を使用して東北大学のFTPサーバーからクラウドサーバーにデータを転送し、ローカルサーバーに保存するプロセスを説明します。セキュリティ対策や運用上のポイントについても触れます。