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「はじめまして 商船三井グループです」

2023810

株式会社商船三井 北極域研究船プロジェクトチーム

はじめまして、商船三井グループ北極域研究船プロジェクトチームです。今回は北極域研究船の建造監理、艤装員派遣及び運航予定事業者である商船三井グループについて自己紹介させてください。 

フェリーや客船で当社グループをご存じの方もいらっしゃるかとは思いますが、当社グループはその他にもドライバルク船、自動車船、タンカー、コンテナ船など多くの船種を運航し、総合海運企業として130年以上にわたり国際海運に従事してきました。グループとしての船隊規模はおよそ800隻に及びます。                                                                                              

国際連携のもとで、北極域の課題解決のための研究活動に貢献できる「北極域研究船プロジェクト」は、海とともに進んできた当社グループの知見を地球上のすべてのステークホルダーのためにまさに活かせる場と認識し、グループ一丸となって、北極域研究船の建造監理業務及び艤装員派遣業務そして将来の運航準備に取り組んでいます。 

今回は、その取り組みの具体例の一つとして、2023年5月某日に実施した「白鳳丸」(2代目)の性能確認試験航海への便乗についてご紹介します。 

皆さんご存知の通り、「白鳳丸」は30年以上の歴史を持ち、経験豊富な乗組員の方々や観測機器の扱いに精通している観測技術員が乗船しており、研究航海・観測作業のノウハウがたくさん詰まっている研究船です。北極域研究船の運航予定事業者である我々としては、是非ともそのノウハウを吸収し、今後の運航に役立てるべく、JAMSTECの皆さまをはじめ関係者に諸々ご調整頂き今回の便乗を実現できました。(この場をお借りして御礼申し上げます!) 

航海日数は1週間、日本近海で各種装置の作動試験を実施いたしました。そのため、今回の航海には研究者の方々は乗船しておらず、実際の観測作業は目の当たりにできませんでしたが、クレーンやウインチを使った着水・揚収作業や、測線に沿って航行するための操船作業、乗組員と観測技術員との掛け合いや、観測作業に類似した様子を見学できたこと、また実際の観測作業に従事している乗組員の方々から、操船に関するアドバイスやエピソード等を生の声としてお聴きできた大変貴重な機会となりました。 

また、「白鳳丸」の乗組員の方々には操船技術や現場でのノウハウのみならず、研究船の乗組員としての「心構え」についても伺うことができました。

すなわち、一つの研究航海にかけられる予算や時間は有限であり、研究者は事前に膨大な時間をかけて準備し、どん欲に、少しでも多くの観測データや試料を取得することを目指して一つの航海に臨まれる。その一方で、乗組員側にとっては安全運航が最重要事項であり、気象・海象の状況によっては、研究者が期待していた観測活動を中止せざるを得ない場面にも遭遇するとのことです。

MOLグループにおいても、ケーブル敷設船などの観測作業に類似した作業を行う船舶を運航しておりますが、そのようなお話をお伺いし、「研究船」の乗組員として重要なのは、そのような場合でも研究者の置かれている状況を理解し、建設的な議論を通じて如何にして研究者が理想としている観測活動を実現できるか、まさに「ONE TEAM MIND」が研究船運航のプロフェッショナルとして必要な「心構え」であると改めて認識いたしました。 

MOLグループとしては、引き続き、建造監理及び艤装員派遣業務を着実に遂行して北極域研究船の建造に貢献していくとともに、今回ご紹介したような運航準備に向けた活動を通して、北極域研究船をはじめとする日本の研究船の活躍を支える一員になりたいと思います!今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

写真1:出港前の「白鳳丸」
写真2:出港後、地域の方々が旗を振りお見送りしている(北極域研究船も地域の方々に愛される船でありたい!と思った瞬間の一枚)
写真3:「白鳳丸」乗組員の船上作業を、便乗したMOL社員(船員)が見学している様子
写真4:船内での食事(全て美味しかったですが、ポークソテーが一番のお気に入りです!)

以上

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