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北極域研究船 国際ワークショップ開催報告

2023128

北極域研究船推進部

2023年11月17日~18日に、東京のイイノカンファレンスセンターにて、北極域に関する政策、科学などのニーズやシーズを共有し、議論する機会を提供するとともに、日本の新しい北極域研究船を国際的な研究プラットフォームとしてどのように活用できるかを議論するための国際学術ワークショップ「1st International Workshop on Arctic Ocean Observation -Future Collaboration by Research Vessels and Icebreakers-」が開催されました。
 (ご参考)北極域研究船 国際ワークショップウェブサイト(英語のみ)
 開催期間の2日間で、12カ国(アメリカ、イギリス、インド、カナダ、韓国、中国、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フランス、ポルトガル、日本)から合計118名の方にご参加頂きました。そのうち、海外の機関からは42名の方にご参加頂きました。 
1日目はブレイクアウトセッションとして、以下の分野ごとに分かれ、チェアパーソンを中心に活発な議論が行われました。

 (ブレイクアウトセッションテーマ)
・Science: Addressing Knowledge Gaps and Future Research Collaboration
(科学: 知識ギャップへの対処と今後の共同研究)
・Aspirations for Arctic Ocean Observation from Early Career Scientists
(若手研究者の北極海観測への抱負)
・International Collaboration, Policy, Indigenous Peoples
(国際協力、政策、先住民族)
・Technology & Engineering: Data-driven approach for sustainability
(テクノロジーとエンジニアリング 持続可能性のためのデータ主導アプローチ)
・Sharing Experiences and Developing Future Collaboration in Polar Ship Operations
(極域船運用における経験の共有と今後の協力関係の発展)
※1日目の写真は本文の下に掲載

2日目には、以下の写真の通り各セッションのチェアパーソンが1日目に行われた議論の総括を発表しました。
・Science: Addressing Knowledge Gaps and Future Research Collaboration

地球環境部門北極環境変動総合研究センター 菊地 隆センター長(日本, JAMSTEC)

Dr. Jackie Grebmeier (米国, University of Maryland)

・Aspirations for Arctic Ocean Observation from Early Career Scientists
Dr. Lisa Winberg Von Friesen (デンマーク, University of Copenhagen)

・International Collaboration, Policy, Indigenous Peoples

Dr. Hajo Eicken (米国, IARC/University of Alaska Fairbanks)

・Technology & Engineering: Data-driven approach for sustainability


北極域研究船推進部 松沢 孝俊調査役(日本, JAMSTEC/NMRI) 

・Sharing Experiences and Developing Future Collaboration in Polar Ship Operations
Capt. David Duke Snider (カナダ, Martech Polar Consulting Ltd)

各セッションからの報告を受けて、上記発表者にDr. Michael Karcher (ドイツ, AWI)とMs. Hannah-Marie Garcia (米国, Indigenous Sentinels Network)を加えて、地球環境部門北極環境変動総合研究センター 末吉 哲雄特任主任研究員(日本, JAMSTEC)の司会の下でパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、まずサイエンスの重要性とそれを踏まえた上での観測船としての北極海域での船舶の運航や工学・技術開発との関わりについて議論され、次世代研究者の育成についても活発に意見が交換されました。また北極海観測における国際連携の推進、特に先住民族との関わりについて、航海計画の策定を含めてどのように考えるべきかまで話題は広がり、多くのコメント・議論がなされました。

 

その後、菊地 隆センター長によりワークショップで撮影された写真の紹介を交えた本ワークショップのサマリーの発表があり、JAMSTECの大和 裕幸 理事長の閉会挨拶により、ワークショップは無事閉会となりました。

本ワークショップは、2026年に完成予定の北極域研究船の活用について話し合うというテーマの下、サイエンスの分野だけではなく、政策、先住民族、船舶運用やテクノロジーの分野の関係者も一堂に会し多様な意見が交わされる機会となり、国際的に見てもユニークな、実り多いワークショップとなりました。
これを第一歩とし、北極域研究船を活用した研究分野等での国際協力や人材育成などについて、本ワークショップで示された提案を踏まえて国内外での連携を一層促進するべく、今後もJAMSTECとしても取り組んでまいります。
本ワークショップは2年後の2025年に、第2回の開催が予定されております。また、今回の詳細なレポートは後日、本ウェブサイトにて公開予定です。

また第2回会合で本ワークショップの参加者の皆さまにお会いできることを、また多くの新しい参加者をお迎えできることを楽しみにしています。 

以上

※1日目の発表者・座長の写真

・Science: Addressing Knowledge Gaps and Future Research Collaboration

・Aspirations for Arctic Ocean Observation from Early Career Scientists

・International Collaboration, Policy, Indigenous Peoples

・Technology & Engineering: Data-driven approach for sustainability

・Sharing Experiences and Developing Future Collaboration in Polar Ship Operations

 

 

※ 1日目のスナップショット

※2日目のスナップショット

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