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IRSO2023に行ってみた

20231129

IRSO参加メンバー
(株式会社商船三井 北極域研究船プロジェクトチーム)

10月16日~20日にブルージュ(ベルギー)にてInternational Research Ship Operators meeting (IRSO2023)が開催されました。IRSOは世界各国の研究船運航者が各自の取り組みを報告する会合で、IRSO2023の参加者は129人を数え過去最多ということで、多くの国から砕氷研究船はもちろん沿岸で使用する小型船まで様々な研究船の運航者が参加しており、我々商船三井グループも将来のResearch Ship Operatorとしてご挨拶と北極域研究船の紹介を行いました。

左:ポスターセッション 右:口頭発表

会合前日には研究船における船舶燃料の脱炭素化やカーボンフットプリントに関するワークショップが設けられていました。研究船自体のCO2排出量が占める全世界の船舶における排出量の割合は必ずしも大きくないものの、運航者としてしかるべき責任を果たしていくという意識の高さを強く感じさせるものでした。
本会合では各参加者の発表内容は新造船の自慢話やAUV・UAVという自律型無人探査機の存在感が増していくなど船会社としては興味深い色々な話題がありましたが、船内で実際に発生した船内トラブルとその対応についての発表があり、失敗を隠さずにコミュニティーで共有するという姿勢が印象的であり、新参者の我々としては身の引き締まる思いでした。 

また開催国ベルギーの研究船2隻を訪船・見学する機会もあり非常に貴重な経験となりました。 “R/V Belgica”は2021年建造の新しい船で窓の大きい船橋が近代的な印象である一方、小型の“R/V Simon Stevin”は操舵席がコンパクトにまとめられ少人数でも効率的に運航ができる工夫がされていました。研究船はどの船も個性的で見学する度に様々な発見があり、今回の訪船では船内を自由に見学でき本当に勉強になりました。質問に真摯に答えてくれた乗組員の皆様には大変感謝しています。

左:R/V Belgica 中央:近代的な操舵席 右:左舷操船コンソール、大きな窓で視界良好
左:R/V Simon Stevin 中央:コンパクトにまとまった船橋 右:船尾Aフレーム

ベルギーはビールやチョコレートが有名ですが、開催地ブルージュは中世からの街並みが魅力的で「天井のない美術館」と別称されています。観光地としても有名な都市で広場や教会、運河など目を楽しませてくれる物がたくさんあり、毎朝会場まで石畳を歩くのは非常にいい気分でした。

今回のホストであるフランダース海洋研究所(VLIZ)はソーシャルイベントを企画してくださり、皆で一喜一憂できるベルギー伝統のボウリング(カーリングの要素がかなり濃いゲーム)で参加者同士が打ち解け、「また来年会いましょう」という雰囲気の中あっという間に5日間のIRSOは終了しました。

来年IRSO2024が開催される頃には我々の北極域研究船のドック工事も始まっているので、その途中経過をアップデートしながら、国際的な研究プラットフォームの運航者としてIRSOの一員としても貢献していきたいと思っています。

左:ボーリングで作戦会議中 右:思うように行かない事もある

以上

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