沖縄の海は、浅海のサンゴ礁だけでなく深海の化学合成生態系など、さまざまなタイプの生態系を有する豊かな海です。
サンゴ礁
沖縄の海を代表する生態系です。サンゴがつくる複雑な地形には、ここをすみかとするさまざまな生き物が集まり、豊かな生物多様性を形成しています。全海洋の1%にも満たないわずかな面積しか占めないこのサンゴ礁には、全海洋生物種の25% もがくらしているともいわれています。

マングローブ/干潟
マングローブは、海と陸の境目である河口などの汽水域で育つ植物です。満潮時には海水が入り込み、干潮時にはマングローブの根が複雑に入り組んだ干潟が現れるなど、時間帯によってその姿を変える環境には、貝やカニ、トビハゼなどの海洋生物だけでなく、これらをエサにする鳥類など、多くの生物がくらしています。

砂浜
沖縄の砂浜は、サンゴや貝、有孔虫など、炭酸カルシウムの骨格をもつ生き物の骨や殻が細かくなってできた砂であるため、美しい白色をしています。この砂浜にはスナガニやオカヤドカリなど固有の生物がくらすだけでなく、ウミガメの産卵地にもなるなど、海洋生物にとって重要な場所・生態系です。

藻場
緑の絨毯のように海草が茂る藻場は、貝やウニ、ナマコやヒトデなどがくらす場所としてだけでなく、ウミガメなどの海洋動物のエサ場としても重要な生態系です。また、海草(海藻) は、地球温暖化の原因である二酸化炭素を吸収する調整機能も担っています。

イノー
イノーとは沖縄の言葉で、陸に近い、サンゴ礁に囲まれた浅い海のことです。サンゴ礁に守られた穏やかな海が広がるこの場所には多くの生物がくらしており、昔から人間は、生活の糧を得る場として利用してきました。沖縄の人々にとって、もっとも身近な海といえます。

深海
沖縄近海の深海底は、プレートのはたらきで地球の活動が活発な場所であり、海底下から噴き出す熱水やガスの周辺には「化学合成生態系」とよばれる特殊な生態系が形成されています。沖縄は浅海だけでなく、深海にも特別な生態系を有する場所なのです。
