ことなる種類の生き物が一緒にくらすことを選んだ関係を「共生」といいます。共生は、両方の生き物に利益がある「相利共生」、一方の生き物のみに利益がある「片利共生」、一方に利益、もう一方に不利益がある「寄生」の3つに分類されます。ここでは沖縄の海で観察できる共生の例をご紹介します。
サンゴと褐虫藻
褐虫藻はサンゴの体の中に共生している、植物プランクトンの一種です。褐虫藻は太陽光で光合成してサンゴに栄養を与え、サンゴは代謝物を栄養として褐虫藻に与えています。この褐虫藻はサンゴ以外にも、シャコガイやイソギンチャクとも共生しています。

クマノミとイソギンチャク
イソギンチャクは毒針をもつ、海の生き物に避けられる存在ですが、クマノミはこのイソギンチャクをすみかとすることで安全にくらすことができます。一方でクマノミはイソギンチャクを食べる天敵を追い払ったり、近くでヒレをさかんに動かして新鮮な海水をイソギンチャクに送り、元気にしています。

ホンソメワケベラ
ホンソメワケベラは、体や口についた寄生虫を食べてくれる、他の魚にとってはありがたい存在です。ホンソメワケベラはエサを得ることができる、他の魚は病気の原因となる寄生虫が取り除かれるという、互いに利益のある関係が築かれています。

化学合成生態系の化学合成細菌
化学合成生態系は、深海底の熱水噴出孔周辺などに作られる、非常に特殊な生態系です。この生態系でくらす深海生物の中には、化学合成細菌とよばれる細菌を体の中に共生させているものがいます。化学合成細菌は熱水に含まれる成分から有機物を作り出し、この有機物を深海生物は栄養として利用しています。
