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砂データ:淀川

分析データ

河川名
淀川(よどがわ)
採取地
(岩石)大阪府大阪市長柄橋右岸
(砂)大阪府大阪市鳥飼大橋右岸
国名
日本
採取日時
2009年 7月 18日
採取者
兵庫県神戸市立六甲アイランド高校
分析者
眞砂英樹・小俣珠乃海洋研究開発機構)

コメント

淀川は三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の2府4県にまたがり、流域面積8,2402、琵琶湖から大阪湾に至るまでの総延長が75.1kmに及ぶ日本を代表する水系です。琵琶湖を源流とし、大津市から河谷状となって南流します。途中、京都盆地南西部(大阪府と京都府の境界付近)で、桂川と木津川と合流し、大阪平野を南西に流れます。淀川の主な支流の1つである桂川は、京都府佐々里峠を源とし、花脊(はなせ)南部で西方向へ流れを大きく変え、その後、亀岡市の中央部を縦断し、大阪府との境で淀川となります。もう一つの主な支流である木津川は、三重県青山高原に源を発し三重県伊賀市東部を北上します。途中、木津川市を通り、京都府・大阪府境付近で北東からの宇治川(淀川水系本流)、北からの桂川と合流し、淀川となります。合流後の淀川は神崎川と大川(旧淀川)を分流し大阪湾に注ぎます。

淀川の地質について

淀川地域に分布する地質は、次の4つに大きく分ける事ができます。
1つ目は淀川支流の桂川上流域と本流の中流域に見られる丹波層群です。丹波帯はペルム紀からジュラ紀(2億9千万年前~1億4千4百万年前)にできました。構成岩石は砂岩、頁岩、チャート、緑色岩などです。

2つ目は琵琶湖近辺と桂川・木津川・淀川本流の合流点付近に主に見られる大阪層群です。大阪層群が形成したのは、新第三紀~第四紀(2300万年前以降)で、構成岩石は砂、レキ、シルト、泥などです。

淀川の地質について

サンプル写真

淀川の岩石

淀川の岩石

淀川ではチャート、花崗岩、泥岩、火山岩、砂岩、礫岩などが見られています。レキ岩・砂岩・泥岩は淀川流域に分布する多くの地質に含まれ、野外実習の観察場所でも多く見る事ができました。一方、チャートは丹波帯、花崗岩は六甲・多ノ上花崗岩などに特徴的に見られる岩石であり、淀川流域の地質を特徴づける岩石といえます。

砂の主要鉱物

砂全体試料

砂全体試料

石英が6割以上を占め、長石類(斜長石、カリ長石)と合わせてほとんどを占めます。斜長石の中では、カルシウムを含まない曹長石が比較的多く、弱い変成作用を被った四万十累帯に由来する物と考えられます。

重鉱物

重鉱物

重鉱物の組み合わせは非常にシンプルで、9割近くをチタン鉄鉱が占め、残りをジルコンが占めています。いずれも花崗岩等の酸性火成岩に多く含まれる鉱物です。

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