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8月8日(土)


"使われています!"

「みらい」からラジオゾンデ放球テストのブログがありました。その後、3時間ごとの連続観測も開始しています。概要ページにも記してある通り、今回は「みらい」観測に合わせて、フィリピンのレガスピ、パラオのバベルダオブ島、ミクロネシア連邦のヤップの3点でも、通常1日2回行われているラジオゾンデ観測を6時間ごと、1日4回、現地機関の協力を得て実施する計画です。このうち、パラオとヤップが8月6日からこの強化観測をスタートさせています。
「みらい」のデータと合わせて、積雲対流の発達過程を調べるために使うのですが、同時に速報データが、GTS(Global Telecommunication System;全球通信システム)と呼ばれるネットワークを介して世界中に配信され、特に、天気予報の初期値データとして使用されます。観測データを数値モデルに取り込み、数値モデルの値をより現実的な値にすることをデータ同化と呼び、この過程で初期値データが作られます。 添付の図は、イギリスにある欧州中期予報センターのウェブサイト(https://charts.ecmwf.int/catalogue/packages/monitoring/products/dcover)からダウンロードしたもので、左から順番に、強化観測を始めた2020年8月6日06時(世界時、日本時間の午後3時)とその6時間前の6日00時(日本時間午前9時)、さらには2日前(8月4日)の06時(日本時間午後3時)、それぞれの時間に、彼らのデータ同化に使用したラジオゾンデ観測点を示したものです。日本の南の海上に、3つの赤い点を確認することができるでしょうか? 日本の気象庁を始めとして、一般にラジオゾンデ観測は1日2回(世界時で00時と12時)行われ、06/18時の観測は多くありません。1枚目と2枚目を比べるとその差が容易にわかります。また、観測開始とともに、早速我々のデータが使用されたことも1枚目と3枚目の比較でわかります。
この図はあくまで欧州中期予報センターの結果ですが、実は今日皆さんが見た・聞いた天気予報には、「みらい」や南の島々で取得されたデータが使われていたかもしれません。現在、新型コロナウイルス禍により、航空機(でも気温など測定しているのでそのデータが使われています)の運航が極端に減少し、観測データも減っています。そんな中、これからの台風シーズンに、我々のデータが少しでも補填して、予報精度維持に寄与することも今回の観測の意義です。(KY)