2017年11月23日から12月21日の予測を検証します

毎月の月末は、過去1カ月の予測を検証する予定です[1]。今回は2017年11月29日号の、11月23日から予測した12月21日までの結果を検証します。

予測と実際

11月29日号では黒潮大蛇行が続くと予測しました。その予測は当たっています。

図1上段は、11月23日から予測した12月21日の黒潮の状態です。図1下段は、観測値を取り入れて実際に近いと考えられる12月21日の状態です。図2は、同じく予測値(上段)と実際(下段)の比較を、11月23日から12月21日までのアニメーションにしたものです。12月21日の予測(図1上段)は、実際(図1下段)の黒潮大蛇行の特徴である、潮岬が継続して離岸していること、黒潮の最南下点が北緯 32 度より南に位置することを予測できていました。11月29日号では特にふれていませんが、黒潮の一部が八丈島の南を通過する時期があることをある程度予測できていました。黒潮の蛇行の行方については、毎週の黒潮予測記事でも、気象衛星「ひまわり8号」が観測する海面水温と比較しながら検証しています。

11月29日号では、「室戸岬では、黒潮大蛇行の影響を受けて、離岸する時期が多そうです」と書きました。だいたいその通りでしたが、予測よりも実際の方が離岸がはっきりしており、離岸が継続しました。

予測と実際で、違っていた所と合っていたところは、図2のアニメーションでもご確認ください。

Fig1

図1: [上段]2017年11月23日から予測した12月21日の予測値。[下段]観測値を取り入れて推測した2017年12月21日の解析値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤は八丈島の位置。

 


図2: 2017年11月23日から12月21日までの予測(上段)と実際(下段)の比較のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。

 

  1. [1]2017/7/12号「黒潮流路はどれくらい先まで予測できるのか」でも解説しているように、1ヶ月はある程度の精度をもって予測できる限界に近い長さです。毎月の検証では、限界に挑戦するため1ヶ月先の予測の検証をしています。仮に検証で1ヶ月先の予測が当たっていない部分があっても、たとえば1週間先の予測が外れ続けたという意味ではないことにご注意ください。