地球発見 まだまだ知らない「ちきゅう」がある。

CDEX

回収は「かいこう7000」で

 こうして設置された観測装置は今秋以降の回収が予定されている。とはいえ6,800mの水深である。並大抵の方法では回収は難しい。そこで「かいこう7000II」の出番となる。
 「かいこう7000II」は,最大潜航深度7,000mを誇る無人探査機だ。母船とケーブルでつながったランチャーとそのランチャーとケーブルでつながり、合体もできるビークルで構成される。
 海底から顔を出している観測装置の最上部には取っ手が用意されている。「かいこう7000II」のビークルは、その取っ手にフックをひっかける。その後、ビークルは垂直に850m以上上昇し、観測装置を“引っこ抜く”ことになっている。
 準備は万端だ。
 海底に設置された投入口の側面には許グループリーダーが書いた文字がある。「WASURENAI 3.11」(忘れない 3.11)。「私たちの役目は東北地方太平洋沖地震の記憶を忘れずに次の世代へ伝えること。そのためにも、あのとき何がおきたのかを解明しておく必要があるのです」。

回収のための投入口に書かれた文字


温度計設置に成功