がっつり深める
新手法で、掘削データを使って岩盤強度を簡単に早く測定
目指すは、充填剤
――濱田さんは、どのように研究の道へ進んだのですか?
惑星科学に興味があり、宇宙探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰ってくるサンプルを分析する計画があった大阪大学理学部へ進学しました。しかし「はやぶさ」の予定が変更。どうしようかなと思いながらも、モノを使う研究がしたいのと、地震にも興味があったことから、構造地質学の研究室に入りました。
研究に取り組む中で、純粋に研究のおもしろさを感じました。そして、地震は自分たちの足元のことなのにわかっていないことが多く、少しでも明らかにしたいと考え、博士課程は東京大学へ進学し研究者になることを決めました。
――どのようなスタンスで研究に取り組んでいるのでしょうか。
ライフワークとして、なぜ地震が起きるのかを解明したいと考えています。しかし、それは1つの研究では到達できません。だからといって自分一人で様々な研究を網羅できるものでもありません。一方で、世界には、観測や実験などそれぞれ専門家がいます。私は、そうした皆さんのまわりをべたーっと充填するような樹脂のような役割をして、それぞれの専門の隙間を埋めたいと考えています。
これまでには、微生物を使って断層を固めたり、断層で物質と物質がどのように摩擦しているのか実験してきました(動画4)。
Frictional melting of simulated fault
思いついたことは積極的に取り組んでこうと思っています。その結果として地震の研究が進めば良いなと思っています。
――EST(えいっと、すきまを、ちぢめる)研究ですね。ありがとうございました。