国際深海科学掘削計画(International Ocean Discovery Program: IODP) は、2013年10月から始まった26カ国が参加する国際研究プログラムです。その目的は、海洋掘削によって得られる地質試料や、海底面/掘削孔内に設置した各種計測装置から得られるデータを解析し、地球の歴史とダイナミクスを解明することにあります。IODP研究航海は、海洋科学掘削の国際的科学コミュニティから提案される掘削プロポーザルに基づいて計画され、その航海には、選抜されたIODP加盟国の研究機関に所属する研究者が乗船研究者として参加します。

Illuminating Earth's Past, Present and Future (Science Plan)

IODPの掘削航海は、共通のScience Planのもと、共通の掘削プロポーザルの評価機関によって審査された掘削プロジェクトに対し、それぞれ異なる特徴をもつ3つの掘削プラットフォーム(掘削船)によって科学掘削が実施されます。

  • 日本 「ちきゅう」: ライザー掘削と大水深ライザレス掘削を特徴とする掘削船
  • 米国 JOIDES Resolution : ライザレス掘削で多数の実績と長年の経験をもつ掘削船
  • 欧州 Mission Specific Platform : 極域などのプロジェクトごとに傭船する掘削プラットフォーム

掘削プラットフォームは、それぞれ独自のFacility Board(「ちきゅう」にはChikyu IODP Board: CIB、JOIDES ResolutionにはJOIDES Resolution Facility Board: JRFB、MSPにはECORD Facility Board: EFB)をもち、IODP掘削プロポーザルの採択や運用計画について勧告や提言を受けます。
また、掘削プラットフォームは、それぞれの財政によって運用され、これに定期の資金提供を行うパートナー機関やプロジェクト単位の資金提供で参加する機関が参加し支援する体制となっています。なお、掘削プロポーザルの受付と審査を担当している機関は、米国NSFによって運営されています。

IODP掘削プロポーザルの提出から航海実施の決定に至るまでには、いくつものプロセスを経る必要があります。まず、掘削プロポーザルの概略版(pre-proposal)を受付窓口であるScience Support Officeに提出し、科学目的の評価を行うScience Evaluation Panel (SEP)と、環境保護/掘削安全上の審査を行うEnvironmental Protection and Safety Panel (EPSP、ライザレス掘削プロポーザルのみ)によって初期審査を行います。その初期審査の結果を受け、各Facility Boardがどの掘削プロポーザルを実施すべきか討議を行います。

掘削プロポーザルの提出に関する詳細はこちら

「ちきゅう」の場合、CIBが実施すべき掘削プロポーザルを採択し、完成版(full-proposal)として発展させるためのワークショップ開催をJAMSTECに勧告し、プロポーザル作成を支援するための独自の下部組織Proposal Advisory Team (PAT)を設立します。完成版(full-proposal)はSEPによる最終審査を受け、CIBによりJAMSTECへの実施勧告が採択されることで、実施へとつながります。それと同時にCIBはProject Coordination Team (PCT)を設立し、科学目的と技術的/運用的諸課題をすりあわせてより高い成果を得られる航海となるよう支援します。

一方で、「ちきゅう」運用執行機関であるCDEXは、IODP研究航海でよりよい成果を上げるため、CDEX独自の外部諮問機関Technical Advisory Team (TAT)から中長期的技術開発、試料分析、データ管理等について助言を受けます。