2022年10月19日までの黒潮「長期」予測(2022年8月17日発表)

黒潮大蛇行が始まって5年目になり、過去最長期間になっています。蛇行は渦がちぎれやすく不安定だと予測していますが、黒潮大蛇行が終わるようなことはなさそうです。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは10月19日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2022年8月10日の状態の推測値、図2・3は9月19日・10月19日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1)。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が5年目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。

大蛇行から渦がちぎれやすいと見られる不安定な状態ですが、仮にちぎれても再びくっつく程度でとどまり(図1~4)、黒潮大蛇行は継続すると予測しています。ただ短期予測モデルでも渦のちぎれに関しては予測がゆれていますが、黒潮大蛇行は継続すると予測しています。

房総半島(B)では離岸したり接岸したりと大きく変化する予測です。九州南東(C)では小蛇行が発達し黒潮大蛇行と融合する予測になっています(図3)。

図4は、2022年8月10日から10月19日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2022年8月10日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし9月19日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし10月19日の予測値。

 


図4: 2022年8月10日から10月19日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。




JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。