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地球情報基盤センター

研究内容

Last update: 2016/3/30

 当研究グループでは、Multi-Scale Simulator for the Geoenvironment (MSSGと略し、“メッセージ”と読む)という大気・海洋結合マルチスケールモデルを開発しています。

  私たちが目指すモデルは、全球から領域、都市まで扱えるようなマルチスケールモデルです。
  大気、海洋、陸面や植生、だけでなく地下水の流動などの複雑な相互作用を扱えるモデル構築を目指します。
  海洋地球科学に見られる乱流現象を精緻に再現できる、"超高解像度"シミュレーションが可能なモデルを開発します。
  大気、海洋、陸面や植生、だけでなく地下水の流動などの複雑な相互作用を扱えるモデル構築を目指します。

私たちが目指すモデルは、全球から領域、都市まで扱えるようなモデルです。


•大気、海洋、陸面や植生、海氷、大気化学などの複雑な相互作用を扱え、“超高解像度”シミュレーションが可能なモデルであること。
•高精度計算スキームを開発し、数値計算精度の飛躍的な向上を目指し、地球シミュレータを“使い倒せる”超高速モデルを開発しています。

 気象や気候現象には、様々な時空間スケールの現象が複雑に相互作用を及ぼしあって成り立っていると考えられています。全球では全球スケールの現象、 領域では領域スケールの現象、都市では都市に特有なスケールの現象を考えてモデルを開発する必要があります。これらのスケールは、単一スケールとして存在するのではなく、複数のスケールの現象が互いに影響を及ぼしあっているので、複数のスケール間の相互作用を捕らえることができるモデルを開発する必要があります。 気象や気候現象のスケール間相互作用は、その重要性が多くの知見において示唆されているにも関わらず、まだわからないことがたくさんあります。 異なるスケールをシームレスに扱うにはどのような課題を克服していく必要があるのか、についての検討も含めて研究開発を進めています。

図1: MSSGがターゲットとする空間と時間の階層性

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大気、海洋、陸面や植生だけでなく地下水の流動などの複雑な相互作用を扱えるモデル構築を目指します。


地球システムは様々現象が複雑に絡み合っています。そのため、地球システムを精緻に再現するためには、それらの絡み合い(相互作用)を考慮したモデルの構築が必要となります。我々は、図1に示すようなスケール間の相互作用だけでなく、大気と海洋の相互作用、陸面過程との相互作用、さらには河川・地下水流動との相互作用までを考慮できるモデルの構築に取り組んでいます。

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海洋地球科学に見られる乱流現象を精緻に再現できる、"超高解像度"シミュレーションが可能なモデルを開発します。


 台風や梅雨時における集中豪雨、ダウンバーストや、都市型降雨など、局所的に激しい変化のある現象は、私たちの生活に直接深刻な影響を与えます。 これらの現象を予測するためには、少なくとも、雲ひとつひとつの生成単位を扱えるような解像度(100m程度の解像度)が必要であるといわれています。 地球シミュレータの出現によって、これらの現象を、現象をとりまくより広い領域のなかで、より厳密に扱うことのできる環境が整ってきました。積雲、積乱雲の生成や発達、維持などをより詳細に検討することで、 私たちの社会生活に密接につながる気象、気候現象の予測精度向上に繋がることが期待できます。
 超高解像度シミュレーションは、格子サイズを小さくするだけでなく、格子のサイズに見合った詳細スケールの物理現象をどのように捉えるか、 というモデルの研究開発が重要です。私たちのグループでは、特に乱流現象に着目して、新しい物理過程モデルの研究開発を進めています。


図2: 海洋地球科学に見られる混相乱流、非平衡乱流現象の解明

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IoTを活用した超スマート社会の構築に資する統合システムを開発します。


(詳細は、プレスリリース(2016/2/9)をご覧ください。)

 近年、地球温暖化や都市化に伴うヒートアイランド現象などの影響により、局所的な集中豪雨(いわゆる「ゲリラ豪雨」)や猛暑などの極端な気象現象の頻発傾向や激甚災害の危険にどう対応していくかが社会的に大きな課題となっています。  本研究では、ユーザやスマートフォン、様々なセンサーなどの通信機能を搭載した端末に近いネットワークのエッジに計算資源となるサーバー(エッジサーバー)を分散して配置し、様々なアプリケーションが必要とする処理を高速に行うエッジコンピューティング基盤技術の研究開発を行ってきたNTTと協力して、従来のクラウド側や端末だけでは実現できなかった新たな価値の創出を目指します。この研究は、エッジコンピューティング技術を高度な予測技術と組み合わせることで、予測結果と個人、企業、社会の要求に基づいてIoTを制御し利便性や安心・安全を向上する「超スマート社会」を目指す営みとなります。エッジコンピューティングとスーパーコンピューティングによる階層的な高速処理により、様々な要求によりフィットする解析と予測を提供できる可能性があります。さらには、得られたデータと情報をもとに、センサーの測定方法や測定頻度の変更、センサーの移動や新たなセンサーの追加を行い、測定の密度を修正・強化していくことで、スパイラル的に新たなデータや情報、価値の創出が図れるとも考えています。


図3: 本研究の概要イメージ


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