ちきゅうレポート
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乗船前夜:クルーズブルー?2010年8月31日

思えば遠くにきたもんだ。
という台詞がありますが、今の私は「思えばとうとう来たもんだ」という感じです。

今年の3月に、航海が内定し、それからドトーのように「オキナワクッサク」「オキナワクッサク」の波にのまれ、この半年は胃がキリキリするような毎日でした。

プロポーサルは書いたものの、そのプロポーサルは何とか上位にランキングされたものの、「ケッ、どうせオキナワクッサクなんかしねーんだろ」とやさぐれていた8年半の日々は、ある意味責任がなくて、万年野党のような気楽な立場でした。

それが急遽、航海が決まって以来、会う人、会う人に、「念願がかないましたなー、クックック」とか、「いやー期待してますよー、ゲフゲフ」と言われると結構、逆にずどーんと気持ちが重くなることもしばしば。
いわゆるマリッジブルーのような気持ち?
もちろん結婚する前にはぜんぜんそんな気持ちにはなりませんでしたが...。
今日清水に向かう電車の中では、そんなことをつらつらと考えてました。

ホテルにチェックインしたあと、研究者チームとEPM(Expedition Project Manager: 要するに航海のジェネラルマネージャー)のSimon Nielsen(サイモン)を交えて、決起集会(飲み会)をしました。
この航海の研究者チームは平均年齢が結構若くて、一番の重鎮は共同首席研究者のMike Mottlさん(マイク)。
大人は自分も含めてあんがいシャイなものですが、若い連中は気楽でいいねえ。
そういう連中としゃべってたら、なんだか重ーい気持ちが晴れていきました。

初めてのIODP航海に参加する彼らは、「よくわからんが、楽しみっ!!」て感じで、こちらもなんとなく「オウ楽しみっ!」って言う気分になります。
そうそう、首席研究者という立場では「コアがとれなかったらどうしよう」とか「台風が来たらどうしよう」とか「サンプリングプランで対立したらどうしよう」とか結構ネガティブ思考しがちなんですが、よく考えたら、もともと「ケッ、どうせオキナワクッサクなんかしねーんだろ」と考えていたものなんですから、「なんかしらんけどラッキー」と思わないといけませんよね。
というわけで、今はかなり前向きになってきました。

あとは、沖縄近海に集合中の台風と低気圧がどっか行ってくれるだけ。
しばらく清水港に張り付いてますから、その間にきれいさっぱり消・え・て・クレ。

最初のレポートにしては、ネガティブなトーンでしたが、実際、航海前っていうのはこんな感じです。
実はネガなんです。ナイーブなんです。センシティブなんです。哀愁なんです。母性本能くすぐるタイプなんです。コチーフ・タカイは。

ではでは、
航海が進むにつれ、レポートが狂ったようにハイになることを願いつつ......アディオス。