ちきゅうレポート
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「なが~い1日」2010年9月11日

さてみなさん、現在9/11、午後9時です。

コチーフ・タカイ。ようやく一息つきました。

この24時間は,,,,長かった。いろいろありました。

まず進捗状況ですが、コチーフ・タカイのここ一番の得意の台詞、「いいよぉ~、すごくいいよぉ~」を解禁してもいいような状況です。

ちょうど24時間前、イクステンデッド・パンチング・コアという方法で、最初の掘削地点の掘削を始めました(その前の水圧コアと言う方法が失敗したことはあくまで黙っておこう)。ROVで観察していると、ズブズブとパンチがめり込んでいくのがよくわかり、研究者サロンにいた研究者は徐々にハイになっていきました。

とりあえず9mほどドリルの先端をソーニューできたので、コアを引き上げることに。

初めてコアがとれると言うことで、みんな妙にハイ状態です。

今回の「ちきゅう」では、さる理由により、最初にコアに近づける研究者は、選ばれし者共だけです。25人のなかでも、石橋純一郎殿、クリス・イェーツ殿、笑瓶兄さん(ショウイェ・ヤンさんの呼び名byタカイ)、ステファン・ボウデン君だけが許される至高の権利なのです。別名、「人間カナリア」、「実験動物」とも呼ばれますが....。

9/11の朝1時30分、最初のコアが上がってきました。コアカッティングエリアには、石橋殿、笑瓶兄さん、ステファンがガスマスクを付けて待機です。タカイ、クリス・ハウス、ようやく「地蔵」と「ヒキコモリ」から脱した西澤マナブ君もうれしがってコアを待ちます。この30分ぐらいの待機中は、最高に興奮した変なおっさんのあつまり状態でした。

結局、ワーワー騒いだあげく、1.4 mぐらいしかコアは入ってなかったんですが、それは海底から1.3 mぐらいのところにカッチカッチの層があるからんですね。実は、それはすばらしい兆候なのです。「カッチカッチやで~」層というのは、ギョーカイではキャップロックと言いまして、その下にはいいもの(今回は熱水)が閉じ込められている場合が多いのです。

最初のコアでは、キャップロックで跳ね返されましたが、逆に言えば、こいつを抜いてしまえば、「アッツアッツやで~」が出てくると考えられます。掘削前からそう予想してましたが、まさしくどうやらそのようだと考えられました。

次は、そのカッチカッチ層を3mぐらい掘り抜けば、水圧コアでとれると予想して、そのような計画を立て、朝3時に、最初のコアがX線CTスキャンに入るのを見届けて、コチーフ・タカイは、マイクさんと交代でしばしの休息に入りました。

朝10時に起きてくると、いつの間にやら、約20mも掘り進んでました。しかし、何やら現場が混乱しています。どうも海底下熱水を掘り当てたようです。そのためいろいろそこらじゅうで問題が起きていたのです。事態の収拾のため、わやわやと駆け回り、落ち着きを取り戻したのは午後3時ぐらいでした。

結局いろいろ問題は起きましたが、要は大成功なのです。「地下熱水微生物圏・・・・あるで!」と言って、半分「アルアル詐欺」のような手口で研究を推進して始まったこの航海。つまり「地下熱水があること」、「その部分のコア」を間違いなく回収できたのですから。あとはそこに「微生物・・・・わんさかいるで!」が証明できればいいのです。

午後8時には、海底下30mぐらいに2回目のカッチカッチ層がでてきました。これは、つまり、さらにその下にもアッツアッツがあるかも....です。

まだまだこれから深く掘っていきますが、このようなカッチカッチ層-アッツアッツ層の繰り返しが続くと思います。それは、熱水直下微生物圏の証明に大きく近づくことを意味しているのです。そして、アッツアッツ層が真っ黒な硫化物に溢れ出すようになれば、もう、「ムフフ、うふふ、アフーン」なのです。

なんのこっちゃーと言われそうですが、また研究が進めば追々レポートしていきます。

「レポートなげーよ」という突っ込みが聞こえてきそうですが、とにかく今は順調っす。

研究者紹介?そんなことワスレタ。

ではでは。