ちきゅうレポート
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「一本目終了」2010年9月16日

みなさん現在9月16日、午前0時、タカイ at 「ちきゅう」です。

どうもこのレポート、「ちきゅう」のつぶやきシローに比べて、写真はないし、時系列が遅れてしまう、という欠点があるのですが、赤裸々な心情をお伝えできればと思ってます。

さてさて9月15日、「ちきゅう」は一本目の孔を完全に終了いたしました。

最終的には、55mぐらいまで掘り、40mぐらいまでを特注ステンレスパイプでケーシングしました。ケーシングしたあと、ウェルヘッドキャップという蓋をみっちりと閉め、一番真ん中の直径10cmぐらいのパイプだけを海中にむき出しにしてあります。

キャップを締めた後の光景は、それはもう、「歓喜」と呼ぶにふさわしいものでした。レーザービームのような熱水が「コォー」と音を立てながら(そんな音はしていないとみんな言い張りますが、私の耳には聞こえるのです)、吹き出しています。

私の気持ちは、まるで石油を掘り当てたジェームス・ディーンのような気持ちでしょうか。例えが古い!

とにかく「人工熱水はじめました」。

でもちょっと予想以上の噴きぶりかも....。

このあとあのパイプに特注の孔内採水器や孔内現場培養器というものを、ハイパードルフィンによる「かわぐち」探検隊が設置にくるのですが、アツアツすぎて、萌えてしまう、いや燃えてしまう、かもしれません。

とにかく、9月15日、我々はまず最初の掘削孔での作業を終了しました。

この掘削孔からは、予想を覆すような結果がたくさん得られています。しかしそれは、けっして想像を超えるものでありません。

どういう意味かと言うと、「私の想像力の勝利!勝利!ガハハハ」。

唯一の難点は、どうやら予想以上に高温すぎて「熱水噴出孔直下微生物圏」を証明するデータを船上ではとれないかもしれないということです。それって一番まずい事やん、と突っ込みが入りそうですね。
「うん、そうかも...」。

二兎追うものは一兎を得ず、というように、全部を一発で解明するのは強欲杉。つぎ。つぎ。

いまから向かう場所は、最初の掘削孔から400m程度離れた場所です。すでに熱水の中心からは500mも離れた場所ですから、さすがにここではもう少し温度が低い熱水が、かなり深いところにあると予想してます。

しかし、この伊平屋熱水活動のことですから、またもや、モクモクでてくるかもしれません。それはそれで、すごいことなのでコアがあがってくるのを楽しみに待ちましょう。

本日「人工熱水」を完成させた猿橋船上代表(コチーフ・タカイの一学年下なので、ワシのコーハイですねコーハイ)が気の抜いた瞬間ふと漏らした本音。

「アレはワシが作ったんや!ワシが作った人工熱水、壊すなよ!」

すぐに私も言い返しました。

「いーや、あれはワシが育てたんや!ワシの熱水や!」

なんと小さいオトコたち.....(笑)。