第3章 観測作業(前編)
~海水の分析にもいろいろあるんですね~

vol.32 観測開始

9月5日(土)、船内時間は18:00、外気温は6.0°Cです。

海と空の境があやふやな、
ベーリング海の靄の中を、
「みらい」は航行中です。

ベーリング海を航行中
ベーリング海を航行中

「みらい」は、本航海最初の観測地点に到着しました。

これまでとはまったく違う雰囲気が、
船内に漂っています。

どの観測技術員も、
スイッチが切り替わったのがよく分かります。

日が傾きかけた海へ、
ライトで照らされた「CTD」が、ゆっくりと降ろされていきました。

いよいよこれから、
約1カ月にわたる、長い観測の始まりです。

CTD着水
CTD着水

vol.33 観測項目の紹介「塩分」

9月5日(土)です。
今回の観測項目の紹介は、「塩分」についてです。

担当は、若月さんです。

それでは若月さんから、
「塩分」について解説をお願いしましょう。

塩分測定チーム
塩分測定チーム

若月です。
北極航海では一人で塩分測定を担当します。

「塩分」はざっくり言いますと、海の塩辛さです。
とはいうものの、
一般的な塩(食塩など)の濃度を測定しているのではありません。

海洋学でいう「塩」とは
海水中に溶け込んでいる物質全てをさします。

塩分を調べる一番簡単な方法は、
容器中の海水を蒸発させて、
容器の底に残った固形物と元の海水の重量を比較することですが、
この方法では厳密で正しい値は得られません。

そのため、
実際の観測では海水中の塩分を測定するために「電気伝導度」を利用します。

電気伝導度とは電気の通りやすさを示し、
海水中に溶け込んでいる物質が多いほど高くなります。

この方法を用いることで、
間接的に塩分を測定することが出来ます。

塩分は海域によって、
また、水深によって異なります。

例えば、
河川から流入のある沿岸域では塩分が低くなりますし、
外洋域では塩分が35近くになります。
塩分が35ということは、
海水1L中に含まれる塩分の量が、約35gということです。

海はひとつながりの海水ではありますが、
沿岸域と外洋域を見てもわかるとおり、決してその特性は一様ではありません。

一様ではない海水を区別するために、
ある特性を持つ海水を一つの塊として、「水塊(すいかい)」と呼びます。

塩分は水温と共に、
「水塊」を見分ける最も基本的な特性として挙げられます。

つまり、
観測海域がどのような水塊によって構成されているのか、
海洋構造を把握するために高精度な塩分測定が必要不可欠なのです。

「みらい」には電気伝導度を利用した塩分測定装置が搭載されています。

なんと、
その装置の分解能は塩分値に換算して「0.0002」。

CTDやUCTDのように、連続データは得られませんが、
海水試料に含まれる塩分を、高精度で測定することが出来ます。

塩分測定装置
塩分測定装置

vol.34 観測技術員の制服

9月6日(日)船内時間15:00、外気温は4.0℃です。

みんなのお父さんはお仕事に行く時、どんな服を着ていますか?
多くのお父さんは、スーツを着ているでしょうか。

お仕事には、色々な「制服」があります。

われわれ観測技術員にも、「制服」のようなものがあります。

「みらい」の船内はとても暖かいため、
船内生活や実験室では、
われわれ観測技術員はこのような「制服」を着ています。

今回、航海している海域は「北極海」。
このような服装では、
船外で仕事をすることはできません。

船内での服装
船内での服装

そこで、
採水作業など、船外で作業する時は、
このような暖かいジャケットなどを着て仕事をしています。

採水作業では水を扱うので、雨合羽のズボンと長靴を履いています。

ちなみに、
この長靴もそうですが、
船内で履いている靴は、つま先に鉄板の入った安全靴です。

野外での服装  
野外での服装  

さらに、
冷たい風の吹き荒ぶ甲板で作業をする時は、
このような、
サバイバルジャケットとわれわれが呼んでいる、
さらに高い防寒性を備えたジャケットや、
ヘルメット、安全帯を付けて作業に挑みます。

このサバイバルジャケット、
防寒着としては非常に機能性が高く、
観測技術員以外にも、
多くの船員さんや研究者の方々が着ています。

日本への帰りがけ、
アメリカで買うことができるそうですが、

普段は、かりゆしウェア1枚で年中過ごせる沖縄で
暮らしているわたしです、
着る機会はまったくなさそうなので、
買うのはあきらめることにします、、、

サバイバルジャケット
サバイバルジャケット

vol.35 観測項目「栄養塩」の紹介

9月6日(日)です。
今回は、観測項目「栄養塩」について紹介します。

栄養塩チームのメンバー紹介です。
左奥から時計周りに、
横川さん、有井さん、曽根さん、林さんです。

それでは曽根さんに、
「栄養塩」について説明をお願いしましょう。

曽根さん、どうぞ。

栄養塩チーム
栄養塩チーム

「栄養塩」とは、
海のプランクトンが活動するのに必要な栄養素のことを言います。
言わば、プランクトンのご飯です。

プランクトンは光合成によってエネルギーを作り生きていますが、
そのエネルギーも栄養塩がないと作り出すことが出来ません。

そんな命の源があるところでは、
もちろん、多くの生物が活動しています。

栄養塩の濃度の変化は、
海の生態系の変化を知るために欠かせない情報であり、
どんな観測航海でも必ず必要とされます。

栄養塩分析中
栄養塩分析中

一般的に海の「栄養塩」と呼ばれるものには、
硝酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、アンモニウム塩
の5つがあります。

陸上の植物には
窒素、リン、カリウムが必要とされていますが、
海のプランクトンの栄養素は少し違うのですね。

我々、栄養塩チームでは、
たった10mLの海水からこれらの濃度を測定しています。

海水に薬品を混ぜて発色させ、
色の濃さから濃度を測ることにより、
非常に薄い濃度でも正確な値を求めることが出来ます。

vol.36 「みらい」の航路

9月7日(月)の船内時間14:00、外気温は1.4°Cです。

今日も「みらい」は、北極海で観測を行っています。

外気温は、やがて0℃を下回りそうです。

時折、雪が降るようになってきました。

北極海
北極海

昨晩の観測中、うっすらとオーロラが見えました。

人生で初めて見るオーロラです。

晴天等、条件が整えば、
もっとはっきりしたオーロラを見ることができるかもしれません。

楽しみです。

さて、
ここでもう一度、「みらい」の航路を見てみましょう。

日本を出港した「みらい」は、
一路、北極海へ向け、
最短の距離を直線で進んでいるように見えます。

陸には曲がり角やカーブした道があるので、
進んだ道をなぞると、
クネクネした線になりますが、
海の道「航路」は非常にシンプルに見えます。

しかし、この航路、
単純に出発点と到着点を線でつなぎ、決定しているわけではありません。

他国の排他的経済水域を避けるように進んだり、
あるいは、
他国の領海や排他的経済水域内で調査を行う場合は、
しかるべき手続きをとったり、
決められたルールに沿った航路なのです。

「みらい」の航跡図
「みらい」の航跡図

今度は、観測が行われる北極海の航路をみてみましょう。

航路はいずれも直線ですが、
あっちにいったり、こっちにいったり、
「みらい」が迷走しているようにみえますね。

この航路は、
研究者の研究計画の下、
観測が必要な場所を、線でつないだ結果です。

陸棚から海盆に至る場所や、陸棚の斜面に沿う場所には、
どのような流れや水塊が存在するのか。

太平洋から北極海に流入している海水は、季節によりどのような特徴を持つのか。

河川水の流入が多い海域は、どのような特徴を持つのか。

など、
一本一本の航路には、
研究計画に基づいたストーリーがあるのです。

機会があれば是非、
海底の地形が記された詳しい地図を手にとって、

「みらい」が調査を行っている北極海が、
どのような海なのか、詳しく確かめてみてください。

海底には陸と同じように、
浅い場所や深い場所、渓谷や山など、複雑な地形が広がっています。

一つながりの海ですが、
けっして一様でないことに気付くと思いますよ。

北極海の拡大図  
北極海の拡大図  

vol.37 観測項目「溶存酸素」の紹介

9月7日(月)です。
今回の観測項目の紹介は、「溶存酸素」についてです。

それでは、
「溶存酸素」チームの玉田さんに、紹介をお願いしたいと思います。

玉田さん、お願いします。

私が担当する「溶存酸素」チームを紹介します。
佐藤さん(左)、木戸さん(右)、そして私(中)、玉田です。

「溶存酸素」とは、海水に溶け込んでいる酸素のことです。

陸上の生物にとってそうであるように、
海洋の生物にも、酸素はとても大切です。

海の表面には、
風や波によって大気と混ざり合い、酸素がたくさん溶け込んでいます。

また、
大気中から溶け込む以外にも、
植物プランクトンの光合成によって、海水中でも酸素が生成されたり、
海洋が循環することで、海の深いところへ運ばれていったりもします。

海の深いところには、浅いところから、
プランクトンの死がいや生き物のフンといった、'有機物'が降りそそいでいます。

この有機物は、バクテリアなどによって分解されるのですが、
分解には溶存酸素が消費されます。

有機物が分解されると、
二酸化炭素と栄養塩類となって、これが海水に溶け込みます。

溶存酸素チーム
溶存酸素チーム

さて、
人為起源二酸化炭素は、地球温暖化の要因の一つとされています。

海洋における、
人為起源二酸化炭素の増加量を正しく知るには、
さきほどの有機物の分解の影響をなくすために、
溶存酸素の値を知る必要があります。

このように、
海水中の溶存酸素を調べることは、
海の中の生物の活動や循環、地球温暖化の理解に繋がるのです。

分析の様子
分析の様子

vol.38 バローの灯り

9月8日(火)の船内時間22:00、外気温は1.1℃です。

雪の降る中、
今日も「みらい」では観測が行われています。

雪が降り、
気温は0℃に迫る北極海ですが、
季節的にはこれでも夏から秋口といったところ。

改めて、自分が北極圏にいると気付かされます。

雪の降る中
雪の降る中

はるか水平線に、バローの街灯りが見えました。

バローは、アラスカ州にある、アメリカ最北端の都市です。

昼間の海では、
雲や靄にまぎれ、
街や船など、人の営みはなかなか発見し難いものですが、

夜の海では、
灯りとなってその姿をはっきりと確認することができます。

バローの灯り
バローの灯り

夜間、
観測中の「みらい」では、
甲板を明るく照らすライトが点灯しています。

陸からは、
「みらい」も海に浮かぶ明るい点となって見えるのでしょうね。

夜間の甲板の様子
夜間の甲板の様子

vol.39 オーロラ

船内時間9月9日(水)00:00、外気温は-0.2℃です。

「オーロラが見えるよ!」
観測技術員の先輩が、実験室に声を掛けてくれました。

あわてて甲板にあがると、、、

空の様子
空の様子

緑色のはっきりしたオーロラが、雲のように空に浮かんでいました。

「あっちにも見えるよ」
船員の方が指差す方向を見ましたが、何も見えません。

「そこだよ、そこ」
何も見えません。。。

船に長く乗っている方は、ほんとうに目がいいと、常々思います。

しばらくじっと見ていると、、、

緑色のオーロラ
緑色のオーロラ

段々と色彩を帯び、
ほとんど空を横切るほど大きく、
カーテンのようなオーロラが現れました。

素晴らしい時間でした。

観測技術員として「みらい」に乗船していなければ、なかなか得難い経験です。

わたしには、
船に乗って目にしたいものが後二つ、あります。

「グリーンフラッシュ」と、
「南半球の洋上で見る南十字星」です。

いつか、
「みらい」がそんなチャンスのある場所へ連れて行ってくれると願っています。

船内時間9月9日13:00、外気温は-0.8°Cです。

今日は、
1年前にこの海域に設置された、係留系の回収作業が行われました。

「みらい」から係留系の切り離し装置へ信号を送信し、
海面に浮上した係留系を回収しました。

写真に写っているのは、係留系のトップブイです。

係留系の回収作業
係留系の回収作業

回収した係留系の計器をクリーニングします。

1年間、海中で観測を続けた計器類ですが、
うっすら藻が覆っている程度で、きれいな印象です。

温暖な海域に設置した係留系は、
貝などの生物でびっしりと覆われているそうです。

クリーニングはもっと大変そうですね。

係留系のクリーニングの様子
係留系のクリーニングの様子

vol.40 係留系の回収

船内時間9月10日(木)13:00、外気温は-0.7°Cです。

「みらい」はバロー沖で観測を行っています。
昨日から風が強く、海は若干、荒れ模様です。

ここ数日、
海氷の動きが活発になっているとアナウンスがありました。

先日の回収に続き、
今日は新たな係留系の設置作業が行われました。

外気温は-0.7°Cですが、
風速10mを超える強い風が吹き付ける中で体感温度はさらに低く、過酷な作業です。

係留系の設置作業の様子
係留系の設置作業の様子

写真の甲板員の足元に写っているのは、
係留系を海底に係留するためのアンカーです。

このアンカーは、
電車の線路から作られており、重量は約1.0トンあります。

アンカーの重量は、
係留系に取り付けられた計器類を海中に吊り上げるブイの浮力や、
係留系を流す恐れのある海流の強さなど、
さまざまな点を考慮して調整する必要があります。

ある程度、規格の整った線路は、アンカーに適した材料です。

本航海における係留系の回収・設置作業は順調に進み、
無事、終了となりました。

これから次の観測地点に向かいます。

係留系のアンカー
係留系のアンカー

vol.41 観測項目「全炭酸」の紹介

9月10日(木)です。
今回の観測の紹介は、「全炭酸」についてです。

「全炭酸」チームの渡井さん(右)と高田さん(左)です。

それでは高田さんに「全炭酸」の紹介をお願いしましょう。

全炭酸チーム
全炭酸チーム

人間の活動によって、大気中に放出された二酸化炭素は、
海に溶け込んだり、海からまた大気に放出されたりします。

海に溶けこんだ二酸化炭素は、
炭酸イオン、重炭酸イオン、分子状二酸化炭素
の3つの形に姿を変え、

これらを全部合わせたものを科学的には「全炭酸」とよんでいます。

海の植物プランクトンは、
光合成により海に溶け込んだ二酸化炭素を吸収しますが、
一方で、
海水中のすべての生物は、呼吸により二酸化炭素を放出します。

また、
死んだ生物は海底へ沈降し、分解されて海水中の二酸化炭素を増加させます。

そう、
海は地球上の二酸化炭素の循環に大変大きな、
そして複雑な役割を持っているのですね。

現在、
温暖化に伴って、繊細な北極の環境は急激に変化しています。
(南極の氷は厚さが3,000mもありますが、北極は海の上に厚さ数mの氷が浮かんでいるだけなんですよ。知ってました?)

全炭酸濃度を測ることは、
北極の環境、
ひいては地球の気候環境がどのように変わっていくかを予測するのに、
必要不可欠なものなのです。

測定の様子
測定の様子

vol.42 バケツ採水

船内時間9月11日(金)13:00、外気温は-0.3°Cです。

ここ数日、強風で海は荒れ模様です。
風速20mを超え、波高が4mに迫ることもありますが、
「みらい」は観測を行っています。

サーチライトに照らされた雪がキラキラと光り、
ダイヤモンドダストのように見え、
とてもキレイでした。

実際のダイヤモンドダストは見たことがありませんが、、、

サーチライトに照らされ
サーチライトに照らされ

観測では、水深0mとなる海面の海水も採水します。

CTDでは採水できない海面の海水は、
先日の日誌で紹介した「バケツ」で採水します。

10Lと20L、
二つのサイズがあり、使い分けるのですが、
バケツは滑車とロープを使って人力で引き上げるため、
20Lサイズだと、なかなかの力仕事です。

採水作業中
採水作業中

運動不足になりがちな船内生活なので、
このバケツ採水の作業は率先して行うようにしていますが、
はたして、効果はあるでしょうか?

明日は、
北極海を覆う氷の、縁付近まで北上し、UCTDによる観測などを行う予定です。

氷点下の気温、雪、海氷、オーロラ、
日に日に、わたしがイメージしていた北極海らしくなってきました。

採水作業後
採水作業後

vol.43 流氷

船内時間9月12日(土)14:00、外気温は-0.5°Cです。

北極海を覆う氷の縁付近まで、「みらい」は北上してきました。
これまでの海とは様子が一変し、流氷があたりを漂うようになりました。
「みらい」は船速を落とし、ゆっくりと流氷の中を航行中です。

流氷の中を航行中
流氷の中を航行中

こんな、
自動車ぐらいのサイズがありそうな流氷も、「みらい」のすぐ傍を漂っていきます。

白クマが乗れるほど大きな流氷はありませんが、
菊地北極センター長代理が準備した「白クマ賞」を獲得するのは誰か?

海を眺める人の姿が、
多くなってきたような気がします。

流氷
流氷

vol.44 観測項目「基礎生産」の紹介

9月12日(土)です。
今回の観測項目の紹介は、「基礎生産」についてです。

「基礎生産」チームのメンバー紹介です。
左から星野さん、松本さんです。

それでは、
松本さんに「基礎生産」の説明をお願いしましょう。

松本さん、お願いします。

基礎生産チーム
基礎生産チーム

植物は光合成によって自ら有機物を作り出し、
動物は植物を捕食することによって、
植物が作った有機物から、
生きるために必要なエネルギーと自分の体を作るのに必要な有機物を得ています。

このように、
植物の有機物生産は、
生態系における有機物とエネルギーの根源となるため、
「基礎生産」と呼ばれています。

 海洋において、
生態系の基盤を支えている基礎生産者は「植物プランクトン」です。

植物プランクトンがどれだけ有機物を生成したか、
これを調べることは、
海洋生態系の基盤を調べることになるのです。

また、
「基礎生産」は、大気から海洋への二酸化炭素吸収とも関連しているため、
地球環境の変動にも大きく関わっています。

※植物プランクトンは光合成によって、
海水中の無機物(無機炭素や栄養塩類)から有機物(脂質やタンパク質)を生成します

他のチームが分析している全炭酸や栄養塩、クロロフィルaなどは、
基礎生産と密接に関わっているのです。

測定の様子
測定の様子

実際の観測では、
採水した海水を、船のデッキに設置した水槽で24時間、培養します。

その間、
海水中の植物プランクトンは光を受けて光合成します。

植物プランクトンが光合成によって取り込んだ炭素の量を見積もることで、基礎生産量を求めています。

また、
近年の太平洋側の北極海は、
海氷の減少など顕著な海洋環境の変化が起きています。

こういった海洋環境の変化に、
生態系全体がどのように変動しているかを明らかにするためにも、
その根底である。
植物プランクトンによる基礎生産の変動を評価することは
とても重要なんですね。

培養水槽
培養水槽