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HPCI戦略プログラム分野3

地震波伝搬プログラムSPECFEM3D_GLOBEの「京」向け最適化コードを公開

  概要

 戦略分野3の計算科学技術推進体制構築(担当機関:JAMSTEC地球情報基盤センター)において実施された地震波伝搬プログラムSPECFEM3D_GLOBEの「京」向け最適化コードがソースコード公開サイトGitHubにて公開されました。
https://github.com/geodynamics/specfem3d_globe/tree/devel

 今回の最適化によりスレッド並列化効率が向上し、プログラムのほぼすべてのコストを占める応力計算のループについて8スレッドによる性能向上(1スレッド使用時との性能比)が7.89倍となりました(「京」での実測値)。

              
図1.応力計算ループにおけるスレッド並列スケーラビリティの改善。ASISはオリジナルのコードに対し「京」のコンパイラによる自動並列化のみを適用した場合の結果であり、当該のループ内の処理がほとんど並列化されていない。
TUNEはループのイタレーション間の依存性を排除すると共にOpenMPの指示文挿入による明示的な並列化指定を行ったため、当該のループ全体の並列化が可能となった。


また、単体性能(コアあたりの性能)も向上し、上記ループについて1.55倍の性能向上(オリジナル版との性能比)が得られました。(当該箇所のピーク性能比は15.79%から20.98%に向上)


図2.応力計算ループにおける単体性能の改善