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職員紹介

技術開発部 基盤技術研究開発グループ

技術系

技術開発部
基盤技術研究開発グループ

2013年 入社

京都大学大学院 工学研究科 社会基盤工学専攻 修士課程修了
研究内容:大学では資源工学を専攻し,物理探査(地震波などを使って地中のイメージングを行う技術)データを用いた時系列信号処理やP波速度構造トモグラフィの研究を行う

PROFILE

JAMSTEC入職後は、海洋技術開発部水中音響技術グループ(現:技術開発部基盤技術研究開発グループ)に所属。所内外のプロジェクトに参画して,船舶や水中ロボットなどの観測プラットフォームの要素技術研究開発を行っています。主として水中音波を使った通信・測位など技術に関して,基礎研究から運用に供するための装置開発まで幅広く携わっています。

CAREER STEP

  • 2013年度
    海洋技術開発部 水中音響技術グループ
  • 2017年度
    基幹技術研究部 先端技術研究グループ
  • 2019年度
    技術開発部 基盤技術研究開発グループ
  • 現在に至る

志望動機

小学生の頃にはじめた趣味の釣りを通して海に親しみを感じていました。子供のころに,海洋音響トモグラフィ観測や海底掘削の提唱などで有名なウォルター・ムンク博士が海洋学分野の研究者として初めて京都賞を受賞した,というニュースを見たことで海洋科学に関心を持つようになった記憶があります。大学生時代に,恩師がJAMSTEC出身であったことや,ムンク博士が提唱した観測技術の研究開発を国内ではJAMSTECが担っていること知ったことで,就職先としてのJAMSTECに強い関心を抱くようになりました。一方で,JAMSTECは博士号を取得して研究者の公募を待たなくてはいけないというイメージもあり,次第に就職先の候補としては考えないようになりました。
転機となったのは,博士課程進学か就職か悩んでいた修士1年目の秋ごろに研究活動の中で頂いたご縁でインターンシップ生として参加した研究航海でした.現在の上司から,研究職でなくとも海洋技術の研究開発に携わることができる技術職のキャリアがあること,近々技術職種の採用活動がはじまること,上司も含めて多くの職員が就職後に博士号の学位を取得していることを聞きました。この話を持ち帰って恩師に相談したところ,励ましとともに背中を押していただきました.こうしてつよい縁を感じるとともに,「ここしかない」と思いJAMSTECを志望しました。

現在の仕事

就職した当初は,大学で学んだ研究分野とは少し異なる技術の研究開発携わることになったため,論文や書籍を読みふけりながら知識を付けつつ,研究開発プロジェクトで用いる実験装置の運用・開発や,実験データの解析を中心に業務を進めていました。就職から数年たって,技術分野に親しんだころから,自身のテーマとして水中音響通信技術についての基礎研究を始め,国内外の学会や論文などで成果を発表するようになりました。
こうした基礎研究や実験装置開発で得た経験を活かして,「しんかい6500」に搭載・運用されている水中音響通信装置を手作りで開発したことがあります。この開発成果を見た米国の海洋研究所から声がかかり,「Alvin」という「しんかい6500」の兄貴分の有人潜水艇に乗りこんで実験する機会を頂いたことはとても良い思い出です。
近年では,組織横断型の大規模プロジェクトや外部資金獲得,国内外の研究機関との共同研究などに主体的に関わるようになりました。また最近では、学会の運営や講演依頼,水中音響に関わるアセスメント制定など,専門家として外部へ貢献する機会が増えてきています。
所属部署には,研究職や事務職種の方々もたくさんいます。活動が広がる中でたくさんの方々の協力を頂きながら業務を進めています。

やりがい

技術者・研究者としては,基礎・応用とともにフィールドワークが隣接した業務に携わることができる魅力があります。自分が考えた理論や開発した装置を実際の海洋で実験する機会に恵まれており,実験結果を理論や装置に反映するサイクルの中で様々な発見と達成感を得ることができるように思います。海洋での実験は「予想しないことが起こる」「船酔いが辛い」など不安な部分もたくさんありますが,そうした経験も一般的な職業では体験できない,オリジナルな経験として蓄積されていきます。海洋技術の研究開発に携わることができる職業や組織はたくさんありますが,活きた海洋と向き合いながら研究開発を進めることができるのはJAMSTECならではかと思います。
業務の中で開発した装置を運用者に評価していただくことや,研究成果をアウトリーチするなかで様々な人々と交流を深めていくことも個人的な喜びに繋がっていると思います。海洋技術の多くは国内ではニッチな分野ですが,一方で,開発した装置やアイデアに関心を持っていただき活用されていくプロセスを肌で感じやすいことも魅力だと感じています。

  • 今後の夢

    興味のある技術はたくさんあるのですが,技術者っぽく「こんなシステムを開発したい!」とか「巨大プロジェクトに携わりたい,回していきたい」といった夢は特にありません(笑)しいて言えば,小さいことでもよいので誰かが何かをやりたいときに,「コイツと組めばできるかもしれない」と思われる人になることでしょうか。漠然としながらもなかなかにハードルが高いことに思うのですが,たくさんの面白い体験があるように思います。
    そのためにも,まずは自分の専門性を磨きながら一つずつ課題をクリアしていくことが大切だと思っています。現在,これまでの研究成果を基にして博士号の学位取得に向けて取り組んでいることころです。今後の活動に活かすことができればと期待しています。
    また,いろいろな縁で繋がってJAMSTECに就職することになったことも踏まえて,学んだ専門的な知見を多くの人と共有するためのアウトリーチ活動にも力を入れていきたいと考えています。これから年齢を重ねて立場が変わっていったとしても,多くの人と知見を交換しながら新しいものごとを作っていくことができれば良いですね。

※インタビュー内容は2023年1月時点のものです。

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