2015/8/29から11/5の予測(9/4発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。四国・室戸岬で黒潮が接岸しています。
黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が継続するでしょう。東海沖にある小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、潮岬で接岸します。9月に別の小蛇行が九州東岸に発達し、下流に移動する可能性があります。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した8月29日と9月4日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。黒潮からちぎれる形で東海沿岸を西へと進んでいた暖水渦(図1, 前号参照)は、しだいに消えつつあります(図2)。

東海沖を東に進んでいた小蛇行(小蛇行2 ※1)(図1)は、さらに下流に移動しています(図2)。小蛇行2の下流への移動にともない、紀伊半島・潮岬では黒潮が岸に近づいています。

九州東部から四国・足摺岬にかけて接岸していましたが(図1)、黒潮の本流から沖に向かう支流が分岐しており、やや離岸ぎみです(図2)。九州南東では新たな小蛇行(小蛇行3)が発達しつつあります。

※1 現在の離岸流路を引き起こした小蛇行1は、既に黒潮の離岸流路と区別できなくなって見えませんが、先週号からの継続のため、小蛇行の番号はそのままにします。

Fig1

図1: 8月29日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

図2: 9月4日の予測値。

 

予測

図3と図4は9月16日と11月5日の予測です。

小蛇行2が伊豆諸島に近づくことで、黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路はさらに発達します(図3)。離岸流路は当面継続するでしょう(図4)。

小蛇行2が下流に移動するにつれて、紀伊半島・潮岬でも黒潮が接岸するでしょう(図3)。一時的に離岸ぎみであった九州東部から四国・足摺岬でも再び接岸します。黒潮が接岸する沿岸では急潮が発生しやすくなります。

9月に新しい小蛇行(小蛇行3)が発達し(図3)、その後、下流に移動することで順次黒潮が離岸する可能性があります(図4)。

図5は8月29日から11月5日までの予測をアニメーションにしたものです。

図3: 9月16日の予測値。

 

Fig4

図4: 11月5日の予測値。


図5: 8月29日から11月5日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。