2015/8/22から10/29の予測(8/28発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。九州東部から四国・室戸岬で黒潮が接岸しています。
黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路は継続するでしょう。紀伊半島・潮岬の東にある小蛇行が黒潮下流に移動するにつれて、潮岬で接岸します。9月以降、別の小蛇行が九州東岸に発達し、下流に移動する可能性があります。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した8月22日と8月28日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。八丈島の南から伊豆諸島にそってS字型に北上していましたが(図1, 8月14日号解説参照)、暖水渦が西へとちぎれる形でS字型の蛇行は解消に向かい、黒潮は伊豆諸島東を北上後、東に流れています(今週号検証参照)。

先週に紀伊半島・潮岬を通過していた小蛇行(小蛇行2 ※1)(図1)は、下流に移動しています(図2)。小蛇行2の下流への移動にともない、四国・室戸岬では黒潮が岸に近づいています。

※1 現在の離岸流路を引き起こした小蛇行1は、既に黒潮の離岸流路と区別できなくなって見えませんが、先週号からの継続のため、小蛇行の番号はそのままにします。

Fig1

図1: 8月22日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 8月28日の予測値。

 

予測

図3と図4は9月7日と10月29日の予測です。

小蛇行2が伊豆諸島に近づくことで、黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路はさらに発達します(図3)。離岸流路は当面継続するでしょう(図4)。黒潮が伊豆諸島沿いをS字型に北上する時期が再びある可能性があります(図4)。

小蛇行2が下流に移動するにつれて、紀伊半島・潮岬でも黒潮が接岸するでしょう(図3)。黒潮が接岸する沿岸では急潮が発生しやすくなります。また、9月に新しい小蛇行(小蛇行3)が発達し(図3)、その後、下流に移動する可能性があります(図4)。

図5は8月22日から10月29日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 9月7日の予測値。

 

Fig4

図4: 10月29日の予測値。


図5: 8月22日から10月29日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。