アジアの縁辺海は豊かな恵みを沿岸諸国に与えてきましたが、海洋環境の劣化と資源をめぐる政治的な荒波にもまれています。関係諸国のみならず国際的にも「利害を共有する大切な海」を科学的知見に基づき調和的に守る必要性が急速に高まっています。そこで、国際科学会議アジア太平洋地域事務所(ICSU ROAP)は昨年2月に、アジアの縁辺海とその沿岸域について、国際科学会議(ICSU)と国際社会科学協議会(ISSC)が主導する「未来の地球」(Future Earth)の視点から、学際、超学際的に捉える国際プログラム「Sustainability Initiative in the Marginal Seas of South and East Asia (SIMSEA) 」を発足させました。
このSIMSEA 国際計画をさらに推進するため、昨年10 月に東京大学大気海洋研究所で国内ワークショップを開催し、我が国の研究者がSIMSEA 計画に貢献できる研究課題について、自然科学分野と社会科学分野の観点から議論を行いました。また、昨年11 月にフィリピン・ケソン市で国際ワークショップを開催し、SIMSEA 計画が優先的に実施するべき課題について、参加国の自然科学分野と社会科学分野の研究者が集まり、研究課題の選定を行いました。
これらの会合で選定された研究課題について、本ワークショップでは、我が国の研究者がどのようなアプローチで取り組んでいくのか、具体的な研究策を広く議論し、意見交換することを目的とします。皆さまの積極的なご参加をお待ちしています。
山形 俊男 (海洋研究開発機構 アプリケーションラボ)
植松 光夫 (東京大学 大気海洋研究所 附属国際連携研究センター)
―プログラム―
9:30-10:00 | 受付 |
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10:00-10:20 | ご挨拶 植松 光夫(東大大気海洋研) |
10:20-10:40 | SIMSEAについて 山形 俊男(JAMSTEC) |
10:40-11:00 | SIMSEAで行われたワークショップのレビュー 宮崎 信之(東大) |
11:00-11:30 | 招待講演1 Kwon Suk-Jae(KIOST、韓国) |
11:30-12:00 | 招待講演2 Chuluun Togtokh(NUM、モンゴル) |
12:00-13:20 | 昼食 |
13:20-17:00 1人20分 |
SIMSEAの研究課題へのアプローチ 1)自然科学的な視点から 宮澤 泰正(JAMSTEC) 中村 知裕(北大低温研) 西田 周平(東大大気海洋研) 山野 博哉(国環研) 2)社会科学的な視点から 八木 信行(東大院農) 黒倉 寿(東大院農) |
15:20-15:40 休憩 | |
3)政策形成や社会の意思決定において科学の果たす役割 松浦 正浩(東大公共政策) Yves Henocque (JAMSTEC) 4)アジア太平洋地域連携と人材育成の視点から 小松 輝久(東大大気海洋研) 脇田 和美(東海大海洋) |
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17:00-17:30 | 全体討論 参加者全員 |
18:00-20:00 | 懇親会 大学周辺 |