インド洋ダイポール現象とは?

インド洋ダイポール現象は、熱帯インド洋で見られる気候変動現象で、数年に1度、夏から秋にかけて発生します。インド洋ダイポール現象には正と負の符号があり、正のインド洋ダイポール現象が発生すると、熱帯インド洋の南東部で海面水温が平年より冷たく、西部で海面水温が温かくなります。この水温の変化によって、通常は東インド洋で活発な対流活動が西に移動し、東アフリカで雨が多く、インドネシアでは雨が少なくなります。また、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が少なく、気温が高くなる傾向があります。

一方、負のインド洋ダイポール現象は、熱帯インド洋の南東部で海面水温が平年より温かく、西部で海面水温が冷たくなります。この水温の変化によって、通常は東インド洋で活発な対流活動がさらに活発となり、インドネシアやオーストラリアで雨が多くなります。また、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が多く、気温が低くなる傾向があります。

主な参考文献(詳しく知りたい方へ):

Saji, N. H., Goswami, B. N., Vinayachandran, P. N., & Yamagata, T. (1999). A dipole mode in the tropical Indian Ocean. Nature, 401(6751), 360-363.