12月3日までの黒潮「短期」予測 (2020年11月25日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは12月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した11月25日・11月29日・12月2日の黒潮の状態です(1日平均)。

黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっていましたが、大蛇行から渦が大きくちぎれ離れつつあり(A, 図1~3)、いったん大蛇行が終わったと言える状況でした。渦が遠ざかるにつれて、潮岬(B)で潮岬で接岸していましたが、小蛇行(G)が東に移動するにつれて、再び離岸しています(図1)。大蛇行が再開していると言える状況です(長期予測も参照)。

GからEへと北に流れる黒潮は次第に東に寄り、黒潮は伊豆半島に近づくと予測しています(図2~3、F)。

四国の室戸岬(C)と足摺岬(D)では小蛇行(G)の影響を受けて大きく離岸していますが、室戸岬には東から、足摺岬には九州東岸沿いに南から伸びた暖水が近づきそうです(図1~3)。

図4は11月23日午前9時から12月23日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

JCOPE-T DAの予測は毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。

  1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAを比較するサイト
  2. JCOPE-T DAの水平分布と深さ(鉛直)方向の分布を可視化するサイト
Fig1

図1: 2020年11月25日の予測値(日平均)。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし11月29日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし12月2日の予測値。

 


図4: 11月23日午前9時から12月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。


  1. [1]黒潮大蛇行の記事のまとめはちら


JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。