黒潮大蛇行が始まって約4年10か月目に入っており、過去最長期間になっています。蛇行は渦がちぎれやすく不安定だと予測しており、今後が注目されます。 |
高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは7月27日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。
予測
図1は2022年5月18日の状態の推測値、図2・3は6月27日・7月27日の予測です。
黒潮は大蛇行状態が続いています(図1)。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は今月で期間が約4年10か月目に入っており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。
大蛇行から渦(C’)が大きくちぎれると予測されています(図2,3)。この予測通り進むと、黒潮大蛇行が大きく減衰することになります。短期予測モデルでも渦のちぎれを予測しています。ただし、予測モデルは渦のちぎれを過大に予測する場合があり、この通り進むかはまだ様子を見る必要があります。また、渦が大きくちぎれた場合でも、2020年10月の時のように後から大蛇行が再成長する場合もあります(「2020年の黒潮をアニメーションで振り返る」参照)。
房総半島では、黒潮が比較的低い緯度で東に進むようになり、一時期離岸が拡大すると予測しています(図2, B)。
図4は、2022年5月18日から7月27日までの予測をアニメーションにしたものです。
図4: 2022年5月18日から7月27日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。