new暖水渦の影響続く(親潮ウォッチ2026/3)

親潮は冷たいですが、東北沖で暖水渦の影響が続いています。今後も暖水渦の影響が続き、黒潮続流も北上する可能性があります。

見通し(長期予測)

海洋予測モデルJCOPE3Mで、約2か月先までの予測を行っています。

図1左はJCOPE3Mによる水深10メートルでの、3月23日の水温(色、℃)と流れ(矢印)です。右が同じ日の平年の値です[1]

黒潮続流は平年(図1右)よりもやや高い緯度を流れ、高い水温になっています。

親潮自体は千島周辺で平年よりも強く、冷たくなっています(B)。平年よりも強いくらいですが、黒潮由来の時計回りの暖水渦Aの存在のため(図5も参照)、東北沿岸近くでは南下しにくく、沖合で南下しています。

気象庁の親潮の面積の時系列を見ると、2024年と2025年に比べれば親潮の勢力は大きくなっていますが、それでも平年よりも大きく下回っています。

今後の予測(図2~3)でも、暖水渦(A)の影響が続くことから、親潮自体は勢いがあり冷たいものの、親潮の岸沿いの南下は限定されそうです。黒潮続流とくっついて、続流の暖水を大きく北に運ぶ可能性もありそうです。

図4は2026年3月23日から5月24日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1
図1: 左はJCOPE3Mによる2026年3月23日の水深10メートルでの水温(色、℃)と流れ(矢印)。右は同日の平年値。

 

Fig2
図2: 図1に同じ。ただし2026年4月24日の予測。

 

Fig3
図3: 図1に同じ。ただし2026年5月24日の予測。

 


図4: 図1に対応する2026年3月23日から2026年5月24日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。

短期予測

長期予測(JCOPE2M, 約9kmメッシュ)よりも高分解能のモデル(JCOPE-T DA, 約3km)による20日予測のアニメーションを、YouTubeに1週間に一度の間隔で掲載しています。親潮ウォッチの更新は月に一回ですが、一週間に一度の予測のアニメーションも参考にしてください。

今月のハイライト: 去年と今年の暖水渦の違い

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (解説は「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」) 。このサイトでは上の予測(JCOPE2M, 約9kmメッシュ)よりも高分解能のモデル(JCOPE-T 1ks 約1kmやJCOPE-T DA 約3km)の様々な図を見ることができます。モデルの結果と人工衛星「ひまわり」の図を重ねることもできます。

図5は、今年3月29日の「ひまわり」観測の海面水温です。黒潮続流の位置は比較的高緯度の福島県あたりの緯度まで来ています(a)。その北に暖水渦(b)があるのが見えます。

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図5: 2026年3月29日の「ひまわり」観測の海面水温(色, ①で指定)。水温の範囲を0~25℃とした(②で指定)。
  1. [1]JCOPE3Mは平年のデータが無いため、JCOPE2Mの1993年から2020年の平均で平年の値を計算しています。

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黒潮親潮ウォッチでは、親潮の現状について月に一回程度お知らせします。親潮に関する解説一覧はこちらです。 JCOPE-T-DAによる短期予測はJAXAのサイトで見ることができます。 4日毎に更新されるJCOPE2Mによる親潮の長期解析・予測図はJCOPE のweb pageで見られます。親潮関係の図の見方は2017年1月18日号2017年2月1日号で解説しています。