高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 3月12日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年2月20日・3月2日・3月12日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
大蛇行はS字カーブを描いて北上しています。蛇行のくびれが大きくなってくると予測しています(図2~3)。
四国・足摺岬(D)で黒潮が離れていますが、近づく予測です(図3)。
四国・室戸岬沖(E)では離岸していますが、まずは南から(図1~2、図5も参照)、次に東側から(図3)暖水が近づく予測になっています。
図4は2月20日午前9時から3月12日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2023年2月20日午前9時から3月12日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 室戸岬方向へと伸びる暖水
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は、四国南方の2月22日の人工衛星「ひまわり」観測による水温とモデルによる流速の推定値です。
黒潮は四国室戸岬をはるか南を流れていますが、黒潮から暖水の一部が室戸岬に向かって伸びつつあります(黒丸で囲った領域)。さらに暖水が伸びて室戸岬に近づくと予測しています(図1~2)。