2023年7月6日までの黒潮「長期」予測(2023年5月3日発表)

黒潮大蛇行が始まって5年目10か月目になり、過去最長期間になっています。大蛇行から渦がちぎれる可能性があります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは7月6日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2023年4月27日の状態の推測値、図2・3は6月6日・7月6日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, C) 。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が今月で5年10か月目になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。

渦が大きくちぎれる予測になっています(図2) 。まだ先の予測なので実際に渦がちぎれるか、ちぎれてもどれくらいの規模か様子を見る必要があります。短期予測ではなかなか渦がちぎれない予測になっています。予測どおり渦がちぎれても、渦は再び黒潮にくっつきそうな予測です(図3) 。2020年や2022年は、渦はちぎれて蛇行が弱くなる時期がありましたが、再び渦がくっつき、蛇行が再び強くなりました(2020年の黒潮をアニメーションで振り返る2022年の黒潮をアニメーションで振り返る参照)。

八丈島()の北を通過する黒潮流路(B)が続く予測です(図1~3) 。

四国・足摺岬に(C)に接岸する予測になっています(図3) 。九州南東では黒潮が離れる流路になると予測しています(図2~3) 。

図4は、2023年4月27日から7月6日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2023年4月27日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2023年月6月6日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年7月6日の予測値。

 


図4: 2023年4月27日から7月6日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。