高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 9月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年8月14日・8月24日・9月3日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
A、B、Cと流れるS字カーブの蛇行はやや強化され(図2) 、その後に緩む(図3)と予測しています。
四国付近(D)では、黒潮が足摺岬に近づき(図2) 、その後に室戸岬に近づく(図3)予測になっています 。
伊豆半島や房総半島には黒潮が近づき、水温が上昇しそうです。
図4は8月14日午前9時から9月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
台風7号の通過のため、大蛇行部で水温が低下したと見られますが(図4, 図5・6も参照)、その後に水温が上昇します。
図4: 2023年8月14日午前9時から9月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 台風による水温低下
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は8月16日の人工衛星「ひまわり」による水温の観測値です。
雲の切れ目の観測できるところでは、台風7号が通過したところで海水面温度が低下した様子が見られます。
図6は同時刻のモデルによる海面水温の推定値です。雲の下での海面水温も推定しています。