2024年1月2日までの黒潮「短期」予測 (2023年12月14日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは 来年1月2日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年12月13日・12月23日・来年1月2日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。黒潮の暖水と蛇行による冷水渦の境目は波打ったような形になっています(図1。図5も参照)。

伊豆半島付近と房総半島付近では黒潮が離れたりと推移する予測です(図1~3, C) 。

四国付近(D)では、黒潮に近づいています(図1) 。それがしばらく続きますが(図2) 、その後は離れて室戸岬に近づく予測です(図3) 。

真冬に向けて全体的に次第に水温は下がってきます(図1~3) 。

図4は12月13日午前9時から来年1月2日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2023年12月13日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2023年12月23日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年1月2日午前9時の予測値。

 


図4: 2023年12月13日午前9時から2024年1月2日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

 


今週のハイライト: 暖水と冷水の境目

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は12月13日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値です。。黒潮の暖水と蛇行による冷水渦の境目は波打ったような形になっています(a, b, c, d) 。このような形はモデルでも再現できているようです。

Fig5

図5:12月13日午後2時の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値(色)(①で指定)。色の幅は10から28℃に設定した(②で指定)。