2024年10月16日までの黒潮「長期」予測(2024年8月14日発表)

黒潮大蛇行が始まって7年1か月目になり、過去最長期間になっています。黒潮大蛇行はまだ続くと予測していますが、若干不安定である可能性があります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは10月8日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2024年8月7日の状態の推測値、図2・3は2024年9月16日、10月16日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, C)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が7年1か月目になっており、1975-1980年の4年8か月を大幅に超え、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。渦がちぎれる可能性があり(図3 A’)、若干不安定な黒潮大蛇行を予測していますが、この予測モデルが2か月後は渦のちぎれを過大に予測する傾向があることから、黒潮大蛇行はまだ続くと予測しています。

八丈島()の北を流れる流路が続くと予測しています(図1~2)が、渦がちぎれた場合は八丈島に近づく場合もあります(図3, B)

黒潮が四国・足摺岬に近づいた状態から(図1 C)、室戸岬に近づく状態に変化すると予測されています(図2~3)。

図4は、2024年8月7日から10月16日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2024年8月7日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2024年9月16日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年10月16日の予測値。

 


図4: 2024年8月7日から2024年10月16日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。