2024年12月9日までの黒潮「短期」予測 (2024年11月21日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは12月18日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した11月19日・12月2日・12月9日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。

足摺岬に近かった黒潮は(図1D) 、室戸岬に近づきつつ、四国から離れつつあるようです(図2~3, 図5も参照)。

冬になるにつれて全体的に水温が低下します。ABCと蛇行や、B地点で西向きに分岐する流れは続きますが、水温は下がります。

図4は11月19日午前9時から12月9日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2024年11月19日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2024年12月2日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年12月9日午前9時の予測値。


図4: 2024年11月19日午前9時から12月9日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 四国付近の黒潮

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は人工衛星「ひまわり」で観測された11月20日の海面水温です。

海面水温からは、足摺岬の南東あたりで黒潮がもっとも近いこと、そこから渦を巻いてに暖水が岸に近づいている(図に加えた矢印)がうかがえます。

Fig5

図5:11月20日午後9時の人工衛星観測「ひまわり」観測海面水温(色)。海水温から推定される流れを矢印で加えた。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。