2025年2月23日までの黒潮「短期」予測 (2025年2月19日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは2月23日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。今週は計算機のメインテナンスのために5日だけ先までの予測です。

短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2はJCOPE-T DAで計算した2月18日・2月23日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。蛇行の根本のBDの部分が近づいて、くびれた形をしています(図4も参照)。

BDがくっついて、黒潮がショートカットし、D→B→Cと流れ、蛇行が小さくなる可能性があります。現時点では、そのようなことはおこらず、蛇行が維持されると予測しています(図2)。ただ今後は予測が変化する可能性があります。

図3は2月18日午前9時から2月23日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2025年2月18日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2025年2月23日午前9時の予測値。

 


図4: 2025年2月18日午前9時から2月23日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 大蛇行から渦がちぎれるか?

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は2月11日の人工衛星「ひまわり」で観測された海面水温です。

黒潮大蛇行の南端BDのの部分が近づいています。今後、BDがくっつき、Aの部分が冷水渦としてちぎれるかどうかが注目点です。

Fig5

図5:2025年2月18日一日平均の人工衛星観測「ひまわり」観測海面水温(色)(①で指定)。色の範囲を10~23℃にした(②で指定)。

 



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。