new2025年12月31日までの黒潮「短期」予測 (2025年12月11日発表)

  • JCOPE-T DAによる短期予測 (20日先)
  • JCOPE3Mによる長期予測 (2か月先)

を行っています。

ここでは12月31日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3は、JCOPE-T DAで計算した12月11日・12月21日・12月31日の黒潮の状態です。

黒潮は八丈島の北を流れています。 房総半島に黒潮が近づいています(A, 図5も参照)。関東から東海沖の黒潮の北では、いくつか分岐流が伸びています(C, D)(図5も参照)。潮岬(E)で接岸、室戸岬(F)でやや離岸、足摺岬(G)で接岸しています。

黒潮は八丈島に近づきます(図2~3)。房総半島(A)では黒潮が離れる予測です。暖水の分岐流(C, D)は東へと動いていきます(図2~3)。潮岬(E)では接岸が続きます。室戸岬(F)では接岸しそうです。足摺岬(G)では、接岸が続く予測です(図3)。九州からは今より黒潮が離れる可能性があります(H)。

冬に向けて全体的に水温が下がっていきます(図1~3)。

図4は12月11日午前9時から12月31日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間ごとの図でアニメーションにしています。

Fig1
図1: 2025年12月11日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2025年12月21日午前9時の予測値。

 

Fig3
図3: 図1に同じ。ただし2025年12月31日午前9時の予測値。

 


図4: 2025年12月11日午前9時から12月31日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 相模湾・駿河湾

図5はJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで見た、人工衛星「ひまわり」で観測された12月10日の海面水温です。

相模湾(A)と駿河湾(B)を見ると、湾の東側の方が西側より水温が高くなっています。房総半島に近づいた黒潮のから、暖水が伸びている様子がうかがえます。

Fig5
図5: 2025年12月10日ー日平均の人工衛星「ひまわり」観測の海面水温(色)(①で指定)(リンク)。水温の色の範囲を15~25度とした(②で指定)。

 

 



JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。